何事も始めるのに遅いことはない――在籍9年、OL兼業メンバーだった新内眞衣が30歳を迎えて語る乃木坂46
「全てが、自分一人では成し得なかったこと。周りに恵まれるというラッキーのおかげです」 はたして運ひとつで、ここまでの活躍が残せるものなのだろうか? 「努力……というほどのものではありませんが、運が巡ってきたときのためにいつでも行ける準備はしてきたつもりです。『チャンスは誰にでも待っているけれど、チャンスをつかめるのは一握り』という言葉が好きで。人に与えられたチャンスの数は平等じゃないけれど、どんな現場・環境、どんな人にも大きな瞬間は巡ってくると思うんです。その“いつか”をつかむために、何事も怠ったことはありません。この約9年の間にいろんな面を見せてきたからこそ自信を持って言えます」
その全ての面は、最後となる作品、2nd写真集『夜が明けたら』(小学館)に込めた。 「“乃木坂46での私”っぽい写真、OL時代の私のような写真、ラジオ局のブースで撮った写真……この9年で経験した『私の中にはいくつもの面があるんだよ』というすべてを、この一冊におさめました。『乃木坂46を離れますが、これから一人の新内眞衣として頑張ります。この先もよろしくお願いします』とお世話になった方、一人ひとり直接手渡したい(笑)。それほどのすてきな作品になりました」
素直に泣ける人をうらやましく思う日もあった
乃木坂46に加入してからは全てのことにおいてガムシャラだった。 「私はクリエーティビティーあふれる人間ではないし、ダンスも歌もうまいわけでもない。できることと言えば、多くの方の力添えで作られた仕事に穴を開けないこと。OL仕事も、アイドルも全力でやらないと失礼。人の3倍は頑張らなくちゃいけないと思いました」
OL時代は週5日フルタイムの勤務と芸能活動を並行でこなした。 「もちろん逃げ出したくなる瞬間はありました。つらいことは忘れるまで待つタイプ、先ほどマネージャーさんにも『あまり人に頼りませんよね』と言われたばかり(苦笑)。素直につらいと言って泣ける人をうらやましく思う日もありました」 それでも身を粉にすることができたのは、ラジオでの卒業発表の際にも語った、ある一人のファンとの悲しい別れを経験したからであった。 「応援してくれる方には真摯でいたいんです。人はいつ死ぬか分からない、それは私もそう。会える機会を逃せば次いつ会えるかわかりません。一期一会を絶対に大切にしたいから、本調子でないのが申し訳ないと思いながらも休まないようにしていました」