何事も始めるのに遅いことはない――在籍9年、OL兼業メンバーだった新内眞衣が30歳を迎えて語る乃木坂46
活動初期はOL兼業について「アイドル一筋で頑張っているメンバーに失礼だ」という言葉を投げかけられ、選抜入りの際にも「後輩に道を譲れ」などの心ない言葉をネット上で見かけたという。 「きっと直接言えないからSNSや掲示板に書き込んだりするんでしょうね。そうした声を見かけた時は『あ、この方はすごく寂しい人生を過ごしているんだなあ……』と思って昇華するようにしています(苦笑)」
30歳で出した決断、間違っていなかったと言いたい
加入時期も、年齢も、人生経験もバラバラな乃木坂46において、新内は最年長として一つの姿勢を大切にした。「チャーミングな女性でいること」だ。 「年齢が上だから話しかけづらい人、というのはイヤだなと思ったんです。もちろん威厳も必要ですが、いつでも話しかけやすくいろんなことを頼みやすい人でいれば、この先も楽しく一緒にいられると思ってもらえるはずなんですよ」
この“敷居の低さ”は若いメンバーの心の支えになったはずだ。加入当初、新内に声をかけられて以来彼女を「姉さん」と親しみを込めて呼ぶ梅澤美波、「自分の心の基盤を作ってくれた」と感謝を表す久保史緒里など、3期生、4期生の後輩たちが「新内さんが声をかけやすい環境を作ってくださった」と口々に語っているのが何よりの証拠。だが「いやいやいや!」と首を横に振る。
「『乃木坂46に何か残せたか?』と聞かれると、たぶん何も残せていません。けど私はこの9年間の全てが楽しかったと言えるので、それが一番でいいのかなって思っています」 何度目かの謙遜。しかし長い乃木坂46の歴史の中で、新内は彼女にしかできない歩みかたで新たな彩りを加えてきたのは確かだ。 「おのおの、自分の中で思い描くアイドル像ってあると思うんです。センターになりたい、フロント立ちたい、選抜入りしたい……。私は王道のグループの中で王道じゃないけれど9年も楽しく乃木坂人生が過ごせました。自分らしくマイペースに歩みつづけて……『こういう人も乃木坂46にいていいんだよ』という姿は見せられたんじゃないかな」