プレミア王者・マンC 10月以来の連勝で浮上へ? V5絶望的もペップ「まだ戦うべきものがある」
【蹴トピ】イングランド・プレミアリーグでマンチェスター・シティーが4日に行われた新年初戦でウェストハムに4―1で快勝した。就任9年目を迎えるジョゼップ・グアルディオラ監督(53)の下でリーグ4連覇中の強豪は、昨秋には公式戦5連敗を喫するなど苦戦。2カ月半ぶりの連勝を浮上のきっかけにできるか。 【画像あり】 ソシエダ久保に電撃移籍の可能性? 地元メディアが「時間の問題」と報道 有力候補にアーセナルと リーグ戦で4得点の勝利は昨年8月の開幕2戦目以来。連勝も昨年10月26日のサウサンプトン戦以来だったが、グアルディオラ監督は「昔のシティーに戻ったかと言われると、そうではない。まだ、そのレベルに達していない」と慎重だった。 スコアは4―1ながら、シュート数では10―17本。相手の決定力不足に救われたが、カウンターからたびたびピンチを迎え、終盤には1点を失った。今季27失点は優勝した19年や22年を既に上回る。 昨秋から公式戦5連敗など1勝3分け9敗の苦戦を招いた守備の乱れは故障者続出が大きく響き、ウォーカー主将やストーンズらDFが入れ代わり立ち代わり負傷欠場。昨年12月にルベンディアス離脱を認めた際にグアルディオラ監督は「使えるセンターバックは1人だけ」と漏らした。 攻守の要でバロンドール(世界最優秀選手)受賞のMFロドリも昨年9月に右膝前十字じん帯と半月板の手術を受けて今季絶望。過密日程に不満の指揮官は「23年の3冠では負傷者が3人程度だったから安定して戦えたが、今季は不可能」と嘆く。今季リーグ戦での起用が22人に上る中で「この日程なら25~30人は必要」と訴える。 それでも今回の2連勝で好材料はあった。低迷期に得点力が鳴りを潜め、勝負どころでのPK失敗もあったハーランドがリーグ戦では昨年9月以来の1試合2得点など2戦3発。今季の数少ない新戦力で前節に移籍初ゴールを挙げていたサビーニョがこの日も左サイドで躍動し、先制のオウンゴールを誘発した。前節からエースの3得点もアシストし、2本は利き足の左足クロスからのヘディング弾。グアルディオラ監督は「左サイドにレフティーを置く古典的スタイルは我々のストライカーとクロスの相性がいい」と話し、新ホットラインによる怪物完全復活に期待する。 コンディションに問題を抱えてきた司令塔デブルイネも昨年8月以来の2戦連続フル出場でダメ押しのアシスト。一時は出場機会減少で指揮官との確執も報じられていたが「毎週、状態が良くなっていると感じている。今は90分の出場も可能。自分のレベルに戻すことだけを考えている」と手応えを口にした。 苦戦が続いた時期は緩慢なプレーが失点につながることもあったが、この日は球際で強さを発揮。リーグ戦は開幕9戦を7勝2分けで滑り出した貯金が効いて6位で踏ん張る。欧州CLも1次リーグ22位ながら残り2試合で浮上は可能。例年後半戦に強さを示す王者が、どこまで巻き返せるか。過去8季でリーグ制覇6回の名将は「優勝の可能性がないことは受け入れているが、まだ戦うべきものがある」と来季欧州CL出場権とプライドを懸けた戦いに挑む。 【苦闘アラカルト】 ★連敗 昨年11月9日のブライトン戦でグアルディオラ監督はバルセロナ、Bミュンヘン時代も経験がなかった公式戦4連敗。続くトットナム戦にも敗れ、イングランドのトップリーグで前季王者の5連敗はチェルシーが1956年3月にリーグ戦で記録して以来。 ★守備崩壊 公式戦5連敗で迎えた昨年11月26日の欧州CLフェイエノールト戦で後半8分までに3―0としながら、同30分、37分、44分と失点して3―3の引き分け。連敗は止めたが、後半30分で3点リードから勝利を逃すのはCL史上初の屈辱だった。また、マンチェスターCが公式戦6試合連続で複数失点を記録するのは1963年以来だった。 ★オッズ修正 ブックメーカー・ウィリアムヒル社の優勝オッズでマンチェスターCの人気は急落。プレミアリーグは開幕時に1番人気の2・20倍だったが、5日現在で3番手の23倍となり、リバプールの1・18倍、アーセナルの7倍に大きく水をあけられている。欧州CLも1番人気の3・75倍が4番手の7・5倍となり、リバプールの5倍、アーセナルの6・5倍、Rマドリードの7倍を追う。