過酷な5キロの減量乗り越え国スポ銀 ウエイトリフティング・谷口源太選手【佐賀県】
シリーズ「かちスポ」 挙げる重量は100キロ以上ウエイトリフティング55kg級で国スポ準優勝を果たした有田町出身の男性。試合前の5キロの減量など毎日ストイックに競技に向き合い、すでに来年の国スポの頂点を見据えています。 100キロもあるバーベルを高々と持ち上げるウエイトリフティング。 【谷口源太選手】 「練習の時は集中して試合の時は楽しむ。緊張したら負けって感じなので。強い相手がいても逆にそっちのほうが楽しくなってくる」 谷口源太選手24歳。1日1食という厳しい減量に耐え今年佐賀で開催された国民スポーツ大会で銀メダルを獲得しました。 【谷口選手】 「舞い上がってましたね。やっと努力が実ったかなという感じ」 有田町の有田工業高校。 鏡を前に黙々と練習しているのが谷口選手です。 ウエイトリフティングはバーベルを一気に頭上まで持ち上げる「スナッチ」とバーベルを一度鎖骨の高さまで持ち上げ、次の動作で頭上まで運ぶ「クリーン&ジャーク」の2種目があります。 この2種目を各選手3回づつ行い、成功した重量の合計で競います。 谷口選手は今年の国スポで55キロ級に出場し、「スナッチ」で106キロ、「クリーン&ジャーク」で128キロを上げ、自己新記録を更新しました。 【谷口選手】 「全国大会で6本成功したことなくて、地元の国スポで成功した」 ウエイトリフティングを始めたのは高校1年生。 友達から誘われ、県内で唯一のウエイトリフティング部に入部しました。 今まで全く触れたことのない競技に苦戦しながらも、高校3年生の総体では62キロ級で6位に入賞。 その後、社会人になっても競技を続け、全日本社会人選手権大会では準優勝するなど、一気に成長を見せています。 国スポで監督を務めた園田文明監督は 【園田監督】 「重さに対して自分の力を最大限に発揮できる上げ方が彼は全国トップレベルの技術を持っている」 そんな谷口選手。普段は伊万里市にある自動車整備工場で働いています。 【谷口選手】 「ちょうど、車が趣味だったので。楽しいですね。いろんな車が触れると、次に自分が乗ったとき壊れたりしても自分で直すことができるので」 通常、高校卒業後もウエイトリフティングを続ける人は大学に進学する人が多く、仕事をしながら続ける難しさに直面したことも。 【谷口選手】 「寝たいけど寝るには練習をさぼるしかないしみたいな感じでどうやってルーティンを作っていこうかなと」 谷口さんの1日は休む暇もありません。 朝8時半から夕方5時半まで仕事をし、家に帰ったあとジムへ行く準備をします。 夜9時ごろから2時間程ジムで汗を流したあと、日付を回ったころに帰宅。 帰宅後は夕飯や風呂を済ませ夜中の2時ごろようやく就寝します。 Q.きょうは何を食べるんですか? 「きょうは納豆です。納豆だけです」 Q.きょう初めての食事ですか? 「そうですね。朝、昼は抜いて、減量中なので」 減量中は、1日1食で納豆やヨーグルトしか食べないといいます。 【谷口選手】 「試合の大体1カ月前から食事制限を始めます。最初の3週間くらいから食事制限をして残りの1・2週間はサウナで水抜きしたり。試合前はほとんど食べない」 揚げ物や甘いものは食べず、水分も1日に500mlしかとらない徹底ぶりです。 ウエイトリフティングは試合当日の2時間前に体重を測るため、ぎりぎりまで食事が取れません。 谷口選手は普段60キロほどをキープし、試合の時までに一気に5キロ落とします。 【谷口選手】 「2時間で食べ過ぎても吐いてしまうし。おにぎり1個くらいでおなかいっぱいになる」 【家族(母律子さん)】 「母親としては減量が特にとにかく怖くてあまりにも食べないので、時々ご飯を食べなというんですけど、全然聞く耳持たないし一生懸命なんだなと応援するしかないのかなと思う」 職場でも 【同僚】 「昼ごはんとか減量で食べられないときは飯抜きをしている。頑張ってるなと思う」 常にストイックに自分を追い込む谷口選手。 これからの試合に向けて、今も毎日トレーニングに励んでいます。 【谷口選手】 「日本新記録を取ること、1位をとること、全力で楽しむこと。国スポ以上に上の記録がとれるように頑張りたい」
サガテレビ