焼鳥屋のレベルを超越した、唯一無二の地鶏ラーメン
焼鳥は1串430円からで、7,500円のコースでは焼鳥5本が味わえる。うまみが強く、ジューシーな「にいがた地鶏」の魅力を特に感じられるのが「ささみ」だ。串から外され、わさび醤油、梅と紫蘇の葉、明太子と海苔の佃煮がそれぞれトッピングされた「ささみ」は、ぷっくりと膨れた様子からもわかる通り、弾けるようなみずみずしさが味わえる。
鮮度が良く、とろける食感が魅惑的な「レバー」は児玉さんの焼きの技が光る。ヤマサ醤油に酒、みりん、砂糖を使ったつぎ足しの自家製ダレに漬けては焼き、漬けては焼きを5回以上繰り返す。表面が焦げる直前まで火入れすることで、表面がテカテカと輝き、中はクリーミーなレバーに仕上がる。
鶏もも肉の付け根にある希少部位「ソリレス」も、是非オーダーしたい。削りたてのわさびがのったねぎまスタイルで、塩角がなく粒子が大きい新潟笹川流れの海水塩をふりかけてある。こんがりと香ばしい皮目のパリパリ感、跳ね返すような弾力を楽しんでいると、ミネラル感のある塩気が口の中に広がり、噛み締めていくことで肉汁と混ざり合い最高のバランスを生む。
コースでは焼鳥の前に登場する「レバーパテと3種のベリーのモナカ」(単品1個650円)は、新潟県の銘柄鶏である「越の鶏」を使った一品だ。白レバーを掃除してからソテーし、白ワインと焼鳥のタレで甘みを付け、タマネギを加えて煮詰めていき、フードプロセッサーでペーストにしてモナカに3種のベリーとともにサンドしてある。フルーツは季節に応じて異なり、秋はシャインマスカットが使われていた。
実は児玉さん、キャリアのスタートがフルーツパーラーの「千疋屋」とあり、使用するフルーツの品質も高い。白レバー由来のほろ苦さに、ジューシーで甘酸っぱいイチゴやラズベリー、ブルーベリーが混ざり合い、ワインを誘う。ちなみにフランスやイタリアワインのほか、カーブドッチ(ワイナリー)や、日本酒は十四代、新政、而今など多く用意されている。