ロ軍訓練場を再びクラスター弾が襲う ウクライナ軍、偵察ドローンとの連携で砲撃洗練
偵察ドローンとの連携で砲撃能力を高めるウクライナ軍
黒い森旅団はつい9月まで、ウクライナ東部ドネツク州の要塞都市ポクロウシクにいた。そこからカメラを搭載した重量12.5kgのシャークを発進させ、ロシア軍の突撃部隊を掩護する防空部隊を探し出し、つぶすのに貢献した。 この旅団は現在は南部に移動しているか、少なくとも一部のドローンや操縦士を南部に送ったらしい。今回の攻撃の調整では、ザポリージャ州でおよそ1年にわたり戦線を維持している陸軍第128独立山岳強襲旅団とチームを組んだと伝えられる。 黒い森旅団のシャークは比較的最近に取得された装備だ。カタパルトで発射され、プロペラで推進するシャークは、2022年2月のロシアによる全面侵攻開始の直後に、キーウのテクノロジー企業ユークルスペックシステムズ(Ukrspecsystems)社によって開発された。同社は、PD-2ドローンのような自社の高性能な製品はこの戦争で求められるものとしてはオーバースペックで、価格も高すぎるという点に気づいた。 ユークルスペックシステムズを率いるドミトロ・ハサポウは「PD-2向けに開発した複雑な機能を最小限に抑え、非常に簡素で量産可能なドローンを提供することにしました」とウクラインシカ・プラウダに説明している。「それでも、偵察や砲兵の射撃修正に必要なタスクはすべてこなせるように、十分な品質を確保する必要もありました」 無線制御で最長80km飛行するシャークは、90kmというM30の射程に見合う。シャークとHIMARSは強力な組み合わせであり、ウクライナ軍による打撃範囲を広げ、その精度を高めている。 全面侵攻から間もない時期には、黒い森旅団による偵察飛行任務はおおむね前線から数kmの範囲にとどまっていた。それが変わってきている。同旅団のコスチャンティンという将校は「われわれは20km程度の範囲にはもう関わっていません。われわれの任務は、『低深部打撃』と呼んでいるものになっています」とウクラインシカ・プラウダに明かしている。これは「30kmくらいまで、あるいはそれ以上離れた」目標への攻撃だという。 今回攻撃を受けたロシア兵らも、前線から30kmかそこらしか離れていない場所で訓練していたのかもしれない。M30の射程や、それがたとえ1発ですら、露出した部隊にどれほど致死的なものになるかを考えれば、向こう見ずと言わざるを得ないほど近い距離だ。
David Axe