女性のほうが「睡眠の質」が悪化しやすい? 睡眠の質をチェックする方法
朝、目覚まし時計を何度もスヌーズしてしまう…そんな経験はありませんか? 忙しい毎日、朝スッキリ起きられないのはもはや当たり前かもしれません。 なるべく摂取したい、「眠りの質」に関わりのある食べ物19選 でも、実は改善できるんです! 睡眠改善インストラクター&上級睡眠健康指導士である管理栄養士の篠原絵里佳さんがおすすめする、自分に合った“できそうなこと”を見つけて実践してみて。朝起きるのが快適になるはず。
1. 朝起きるのがつらい理由は単純明快!?
睡眠に悩みを抱える数々の方にアドバイスをしている篠原さんによると「朝スッキリ起きることは、健康であれば普通のこと」。朝、起きるのがつらいのは、①睡眠の質が悪い ②睡眠時間が慢性的に不足している(睡眠負債を抱えている)③リズム(睡眠リズム、生体リズム)の乱れ、の3つの理由が考えられといいます。時間や質を良くすることで、リズムにも良い影響が出てくるので、ここでは、時間と質について解説します。
2. 睡眠の質をチェック!
✔朝、目覚めたときにスッキリ起きたという自覚があるか ✔朝食をおいしく食べているか ✔日中、強い眠気が起きず、順調に仕事が進んでいるか ✔休日も平日とほぼ同じ時刻に起きているか(寝坊しても2時間以内)
3. 睡眠の質と朝スッキリの関係
「一晩中、目覚めずに眠っている=深い眠りに就いていて、質が良い眠りができている」と思われている方が多いのですが、目覚めずに眠っていても、浅い眠りがずっと続いているケースもあります。 眠りには、ノンレム睡眠(1~4段階)とレム睡眠があり、深い眠りはノンレム睡眠の3・4段階で、眠りの前半にこの深い眠りが訪れます。この深い眠りが訪れたタイミングで成長ホルモンが分泌されるのですが、この成長ホルモンの分泌が質の良い眠りと関わっています。深い眠りが訪れず、ずっとノンレム睡眠1・2段階やレム睡眠がずっと続いているケースでは、朝起きたときから疲れを感じたり、スッキリ目覚められない……という現象が起こるのです。 また、女性は男性に比べて睡眠の質が悪化しやすい傾向にあります。 体温のリズムは睡眠の質と密接にかかわっています(ここでいう体温は体内の深部体温のこと)。入眠前から体温は徐々に低下し、起床前に上昇。この体温の調整がスムーズに行われることで、質の良い睡眠に就きやすくなるのですが、月経開始3~10日前の黄体期は体温が高く、夜間睡眠中も深部体温が十分に下がらないため、寝つきが悪くなったり、眠りも浅くなったりします。また、黄体中期は、睡眠中の心拍数が高く、交感神経が優位になるため、睡眠の質が悪化しやすいのです。 更年期は、ホットフラッシュや関節の痛みなど、更年期症状の影響により、中途覚醒が増えやすくなり、睡眠の質が悪化します。
4.睡眠の「時間」と「質」、どちらが大事?
「睡眠時間が短くても、質が良ければOKですか」というような質問を受けることがよくあるのですが、睡眠時間が不足しているのに質を追求しても意味がありません。また、睡眠時間が短ければ、質の良い睡眠もできません。睡眠時間を確保してはじめて、質の良い睡眠に就けるのです。 かといって、睡眠時間が十分とれていても、質が悪ければよい眠りとはいえないので、睡眠時間と睡眠の質は、どちらも同じくらい大切です。
Noriko Saeki