【JJドラマ部】絶対観るべき2024秋ドラマ完全予想!|JJ
脚本家チームが作る新しいドラマに期待大!
小林:続いて、私が推すのは『ザ・トラベルナース』(木曜21時/テレビ朝日系)のシーズン2です。優秀だけどプライドが高くて感じの悪い那須田歩(岡田将生)と物腰は柔らかいが大噓つきの九鬼静(中井貴一)が、新時代のナイチンゲール・コンビとして医療の現場を改革していくという痛快医療ドラマで、シーズン1から2年後を描いた作品です。 イマ:岡田将生、いくらなんでも働きすぎじゃないですか? つい最近も『虎に翼』、『錦糸町パラダイス ~渋谷から一本~』(2024年/テレ東)に出てたし、配信ドラマ『1122 いいふうふ』(Amazon Prime Video)、映画『ラストマイル』と出ずっぱり。 小林:今年、燃え尽き症候群にならないか心配です(笑)。 イマ:シーズン2から初登場するキャストの中では山崎育三郎(薬師丸卓役)や森田望智(中村柚子役)が楽しみですね。あ、野呂佳代(森口福美役)が出ますよ。 小林:シーズン1から引き続き看護師役でキャスティングされています。麻酔科医から家事代行スタッフまで、どんな役を演じてもリアリティーを出せるのが彼女の凄いところ。 イマ:他にも寺島しのぶ(愛川塔子役)や内藤剛志(太田黒勝一役)のベテラン勢から、安達祐実(金谷吉子役)や風間俊介(神山直彦役)といった中堅実力派まで、抜かりのないキャスティング。このドラマで『ドクターX』(2012年/テレビ朝日)のようにシリーズ化を狙いたいテレ朝の本気を感じます。 小林:「野呂佳代が出てるドラマにハズレなし」説は続きそうですね(笑)。 小林:イマイズミさんは『ライオンの隠れ家』(金曜22時/TBS系)をあげていますね。 イマ:市役所で働く平凡で真面目な青年・小森洸人(柳楽優弥)と自閉症スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰)の兄弟は、謎の男の子・ライオン(佐藤大空)と出会ったことがきっかけで“ある事件”に巻き込まれ、平穏な日々から嵐のような渦にのまれていくというヒューマンサスペンスドラマです。 小林:泣かせる系なの? ハラハラさせる系なの? イマ:どっちもあるんじゃないですかね。『私の家政夫ナギサさん』(2020年/TBS系)や『おっさんずラブ』シリーズを手掛けた徳尾浩司さんと新人脚本家の一戸慶乃さんという方が共同で脚本を担当するようです。 小林:“ある事件”に関わる橋祥吾役に向井理、役名「X」を演じる岡山天音あたりが物語をかき乱す役でしょうか。オリジナル脚本なので先の展開がわからないのもいいですね。 イマ:洸人と美路人の兄弟設定は、映画『ギルバート・グレイプ』(1993年)のギルバート(ジョニー・デップ)とアーニー(レオナルド・ディカプリオ)をほうふつとさせます。この映画でディカプリオはアカデミー賞にノミネートされるくらいの神がかった演技をしてたんですが、坂東くんならこの難しい役をこなせる気がしています。 小林:最近では『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(2023年)や『パーセント』(2024年)など、実際に障碍を抱えている俳優が出演するドラマもあるから、演技でリアリティーを出すのは大変だと思います。 イマ:あと、変わり種のキャストだと、岡崎体育(貞本洋太役)と男性ブランコ・平井まさあき(船木真魚役)が出ますね。 小林:岡崎体育といえば、売れ残りのライブチケットをSNSで赤裸々に告白して、最終的に完売させるという伝説を作りましたね。あれ見て、私も頑張らなきゃ!って思いました。 イマ:ガッツありますよね。って、それドラマ関係ないでしょ(笑)。 小林:そして、2人が唯一かぶったのは『3000万』(土曜22時/NHK総合)。脚本家がチームになってストーリーを作る手法が新しいですよね。 イマ:海外では一般的らしいんですが、これは2022年にNHKが立ち上げた「WDR(Writers’ Development Room)プロジェクト」によるドラマ。まず応募総数2000以上の中から、10人の脚本家を選出、7カ月かけて脚本開発をして、連続ドラマの第1話を19本完成。そのうちの1本が『3000万』で、再度脚本家4人を招集して、全8話を9カ月かけて仕上げたとのこと。 小林:脚本が完成する前から撮影を開始しちゃう日本の連ドラとは時間と手間のかけ方が違いますね。 イマ:メインキャストは安達祐実(佐々木祐子役)と青木崇高(佐々木義光役)の2人。あとはあんまりお金がかかってなさそう(笑)。 小林:脚本作りに全振りしたからでしょう(笑)。 イマ:もう第1話を観ましたが、これが面白かった! ひょんなことから3000万円を手に入れた夫婦が、選択肢をことごとく間違えて、どんどん深みにはまっていくさまがテンポよく展開していくんですけど、青木崇高の絶妙にイラっとさせる夫役が絶品です。 小林:昔、あさイチで話してたんですけど、『西郷どん』(2018年/NHK総合)のトークイベントに向かう途中でタクシーが捕まらないからヒッチハイクしてやってきたってエピソードが印象的でした。なんか、おおらかというか人間味があるというか。 イマ:今回はそのキャラがいい具合にハマってます。 小林:これからは有名脚本家が1人で引っ張っていくようなドラマは減っていくんでしょうね。『虎に翼』の吉田恵里香さんみたいな有望な人も出てきてはいますが。 イマ:連ドラはいろんなアイデアを出しあったほうが最後まで息切れしなそうですよね。でも実は、脚本家が1人でもチームでもどっちでもよくて、われわれは面白いドラマさえ観られればそれでいい!