大久保嘉人さん、大ベテランとの勝負を満喫 大分ななせゴルフ倶楽部が誇る熟練の技に納得
サッカー元日本代表の大久保嘉人さん(42)が九州のゴルフ場を巡る企画は、今回が2024年のラストとなる。訪れたのは大分市の「大分ななせゴルフ倶楽部」。待ち受けていたのは、コースの魅力を隅々まで把握している熟練の大ベテランだった。(松田達也) ■「大分ななせゴルフ倶楽部」をもっと知る【関連】 サッカー界のレジェンドの登場を静かに待っていた。今回の取材で安部廣秀支配人代行とともに同じ組で回ってくれたのは、いわゆる〝クラチャン〟と呼ばれる矢野一朗さんだ。73歳の矢野さんは大分県内のシニア大会を制したり、エージシュートも達成する実力者。大久保さんも「負けないように頑張らないと」と笑った。 スタートの10番ミドル(337ヤード)。フェアウエーの左サイドがOBとなっていることを意識したのか、大久保さんはドライバーでのティーショットが右にそれた。それでも傾斜しているラフから7番アイアンでグリーンに乗せるなど、2打目以降でリカバーし、パーをセーブした。 開場50周年を迎えた伝統あるコースについて、安部さんは「ショットの正確性が求められるコースでしょうか。アップダウンが難しい、という方もいます」と説明した。名物の15番ミドル(383ヤード)は、高低差が約60メートルという驚きの打ち下ろしのコースだ。 安定したショットでパーを重ねていく矢野さんに対し、大久保さんも負けじと実力を発揮する。国内最大級のゴルフ関連ポータルサイト「ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)」の協力で行うこの企画を通じ、確かな技術を身につけている。最近の課題は体の向きだという。「自分が真っすぐ向いているつもりでも、少し右を向いていたり…。それでショットの方向性が乱れるよね」。体の角度を確認しながら、丁寧に一打ずつ刻んでいった。 今回は9ホールで、最終的にパープレーの36で終えた矢野さんに対し、大久保さんは41だった。矢野さんは「一緒に回ることができて、うれしいね。元気をもらった」と目を細めた。途中の16番ホールで、大久保さんの打球がラフの斜面につかまった際、ダッシュでボールを探しにいった場面があった。「さすがですね。急な坂道を一気に駆け上がってね」。現役を引退して3年になるが、切れ味鋭いドリブルを支えた脚力は健在だ。 取材を終えると、大久保さんは「ありがとうございました。楽しかったです」と感謝の気持ちを伝えた。矢野さんは「一緒にプレーする写真、くださいね」とほほえんだ。カメラを確認すると、大久保さんのプレーを優しく見つめる矢野さんの笑顔が映っていた。ラウンド前には社員一同で大久保さんと記念撮影に納まるなど、アットホームな雰囲気で迎えてくれた。コースを包む柔らかな空気が、足を運んだゴルファーの快適なプレーを引き出してくれるのだろう。 ◆「大分ななせゴルフ倶楽部」 大分自動車道の光吉インターチェンジから車で約20キロ。大分市今市541。097(589)2111。
西日本新聞社