2025年1月から軽自動車の自賠責保険、修理費用が170%値上げ? まとめサイトによるもの【ファクトチェック】
車検、修理費用の大幅値上げは根拠不明
「車検費用平均120%値上げ」「修理費平均170%値上げ」については、JFCは、自動車整備事業者の業界団体に取材した。 「修理費用や重量税を除く車検整備費用は、各会員事業者が定めることで、業界団体で料金表があるわけでも、会員業者に価格について指示することもない」と、一律の改定率があるわけではない。 「全体的に物価が上がっているので、仕入れ部品の値上げなどによって費用が上がる傾向にあるのは確かだ」とする一方、「来年から一気に170%値上げというのは根拠はない」との見解を示した。 こうした情報の拡散について「団体としては見積もりを出すなど透明性を確保することを会員業者に指導しているので、ユーザーの皆さんは、こうした拡散している情報を鵜呑みにせず、業者に見積もりを出してもらった上でその業者に車検や修理を依頼するのかを判断してほしい」と述べた。
拡散したグラフはJAF作成資料
この投稿には「自動車ユーザーの税負担の国際比較」グラフの画像が添付されている。 この画像をGoogleレンズで検索すると、一般財団法人 道路新産業開発機構がまとめた資料「諸外国の道路整備・維持管理方針と自動車関連諸税(2016 年 5月時点整理)」に添付された「JAF による自動車ユーザーの税負担の国際比較」のグラフが見つかる。 このグラフは、自動車全体の税負担について他国と比較したもので、軽自動車の自賠責保険、修理費用とは関係ない。
判定
拡散した投稿はまとめサイトによるもので、ソースはXユーザーの投稿を引用している。自賠責保険が2025年から値上げするのか、そもそも改定があるのかは12月25日現在決まっていない、また車検や修理の値上げに関しても自動車整備事業者の業界団体は、来年一律に大幅な値上げがあるということについては根拠はないとする。したがって、誤りと判定した。 検証:木山竣策、宮本聖二 編集:藤森かもめ、野上英文、古田大輔 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。