「ごんじゅう」どう作る? 館野公民館で郷土の味の魅力学ぶ教室 館山(千葉県)
館山市の館野地区公民館で4日、地域の郷土料理「ごんじゅう」を作る料理教室が開かれた。地元住民ら11人が、味付けした豚肉を米飯に混ぜて握ったごんじゅう作りに挑戦し、隠れた地元の味を学んだ。 講師は、市職員で管理栄養士の渡邊侑子さん。渡邊さんは健康課に在籍していた2012年ごろ、市内の家庭料理レシピを集めた「おらがごっつぉ」の製作に当たり、館山の郷土料理を後に伝えようとPRしてきた。 おらがごっつぉの一つであるごんじゅうは、祭りの際の接待で振る舞われる機会もあるが、家庭では作る人が少なくなっているのが現状。簡単に作ることができ、子どもから大人までに好まれる味を、祭りに限らず家庭でも作ってもらおうと、同公民館が企画した。 はじめに渡邊さんは、ごんじゅうについて、食べられる機会、名前の由来などについて話した。かつてはお供え物だったといい、手を合わせる姿などから「5(本の指)と5(本の指)で10、『ごんじゅう』と呼ばれるようになった」などと説明。また、今年の鶴谷八幡宮例祭「やわたんまち」では、数カ所で振る舞われていた他、しょうがでアレンジを効かせた味もあったと紹介した。 参加者らはごんじゅうについての知識をたくわえた後、調理に取り掛かった。ごんじゅうを食べたことがあるのは11人中、3人だけという認知度の低さだったが、豚肉と油揚げを切り、空いりしたかつお節としょうゆ、砂糖などの調味料で煮て、米飯と混ぜて握るという簡単な調理で、あっという間に40個のごんじゅうを完成させた。 出来上がったごんじゅうを試食した参加者らは「すごくおいしい。しょうがを入れるとさっぱりしそう」「炊き込みご飯かと思っていたが、それよりも手軽。家でもさっそく作ってみたい」といった感想が聞かれ、好評だった。 渡邊さんは「このレシピで『塩辛いな』『味が足りないな』という人はぜひ自宅でアレンジしてみてほしい。おいしいので作ると人が集まってきますよ」と魅力をたっぷり語っていた。 (安井咲子)