二世帯住宅に10年、暮らして満足した工夫3つ&後悔している玄関のこと
2.共有部分を設け、廊下をなくしたことで、広々LDKを実現
限られた床面積で2世帯が暮らすとなると、どうしても各世帯のスペースは手狭になりがちです。そのような条件でも、できるだけ居室部分を広くとるために、以下の2つの方針で間取りを考えました。 ・廊下やホールなどの通路スペースはできるだけ少なくする ・設備を完全に別にせず、一部(玄関・浴室)は共有する 1階のLDK・和室・寝室、そして2階のLDK・寝室・子ども部屋・洗面室、いずれも各部屋の間に廊下はなく直接出入りできる間取りとなっています。家全体で通路スペースは玄関ホールと階段前の廊下のみ。 このため、最大限のスペースを居室に割り当てることができ、子世帯のLDKは約23畳と期待以上の広さを確保することができました。 10年間で子どもたちも大きくなり、それにともなって入居当時より、ものもだいぶ増えました。それでもあまり窮屈さを感じずに暮らせているのは、LDKを広くしたおかげだと思っています。 ちなみに親世帯のLDKは、同じフロアに共有部分(玄関・浴室)があることもあり、約17畳とそこまで広くはできませんでした。 しかし、隣接している6畳の和室との間のドアをあけ放てば、視覚的には広々と感じます。この点でも廊下をなくしたことは正解でした。
3.両世帯からアクセスがよく、動線が重ならない浴室
共有することとなった浴室ですが、お互いに気兼ねなく使いたいもの。そこで、各世帯のエリアから直接浴室(脱衣室)に出入りできるよう、脱衣室には2方向に出入口を設けました。1つは親世帯の洗面室との境、もう1つは階段下り口のすぐ横です。 子世帯は階段を下りて直接脱衣室に出入りできるため、親世帯の居室はもちろん、洗面室も通る必要がありません。 親世帯が洗面室を使うタイミングと、子世帯が入浴するタイミングが重なっても、動線が重なることがないため、お互い気をつかうこともなく本当に快適です。
後悔は共有部分の玄関。狭くて収納もたりない!
おおむね満足している全体の間取りですが、もっと考えておくべきだったと思う点もあります。 それは、玄関の広さ。家族の人数が増えるぶんだけ、靴の量も増えます。それなのに、土間部分も玄関収納も、一般的な単世帯の住宅と同じようなサイズにしてしまったのです。これが大失敗。まったくたりていません。 土間部分は家族7人分の靴であふれ、どうしても乱雑な見た目になってしまいます。 玄関収納は、標準的なラインナップからコの字型のものを設置。しかし、7人分の季節外の靴や、お下がり待ちの子どもの靴で満杯状態。ほとんど余裕がありません。 結果、毎日履くわけではない靴も、土間に出しっぱなしに。土間の乱雑さに拍車をかけるという悪循環。もう少し考えればよかったと、後悔することしきりの場所となっています。