医師ら63人がグーグルを提訴 “悪質クチコミ”放置で “事実と異なる”書き込みも…
日テレNEWS NNN
Googleマップ上の悪質な内容の口コミを「削除してほしい」と求めても放置され、営業を侵害されたとして、63人の医師らがGoogleを提訴しました。18日、原告側の医師らが会見を行い被害の実情を訴えました。 ◇ 街の人が店選びなどで参考にしていたのは… 40代 「いいレビュー見るし、いいところに出会いたいので評価いいところ」 会社員(50代) 「飲食が一番多いかな。そこ(口コミ)がいいから行ってみようかって、信用しているということですね」 店舗などの評価を利用者側の目線で知ることができる、インターネットの口コミです。様々なシーンで参考にしている人は多いようで… 会社員(30代) 「美容院は結構調べる」 会社員(50代) 「エステティックとか病院」 みなさんが評価の中でも特に気にしていたのは… 会社員(30代) 「悪い評価しかなかったら、ちょっと気にするかもしれない」 大学生(20代) 「悪い評価が少ない方がいいかな、接客態度とか」 ◇ こうしたネットの口コミを巡って、18日に医師らが東京地裁に集団提訴しました。 原告の弁護団 「Googleマップの仕組み自体に不具合があるという主張で、損害賠償請求にしています」 訴訟に乗り出したのは、全国の医師ら63人。Googleの地図サイト「Googleマップ」での口コミを巡り、悪意のある投稿やウソの情報を削除するよう求めたのに放置され、営業を侵害されたとして損害賠償を求める訴訟を起こしたのです。 Googleマップは、地図上で店舗や施設名などを検索すると、住所や連絡先などが表示されるサービスです。そこに、表示されるのが口コミの欄と評価です。例えば、日本テレビの場合だと星5のうち3.7で、口コミをみると573件が投稿されていました。Googleのアカウントがあれば、利用者が匿名で評価などを投稿できます。 原告の医師らへの調査では、医師らに対して「怒鳴られた」「診察してもらえなかった」といった口コミがあったといいます。中には、星1つを無作為につけている人物もいたということです。 また、「朝、遅刻をしたことなど一度もないのに、時間になっても医者が来ないの、遅れたくせに謝罪の1つもないの、といちゃもんをつけられた」という経験をしたという医療関係者もいました。 こうした事実と異なるという、口コミを書かれても… 原告の医師 「医療機関に関しては守秘義務があるので、いろいろ言われても患者については何も言えない。書き込む側は匿名で何でも言えてしまう。それに対してこちらは反論できない状態なっていて、一方的なサンドバッグみたいな状態」 たとえ事実と異なっても、患者に関する情報を公表することは「守秘義務違反」になる可能性があるため、公の場で反論できないというのです。 Googleは「Googleマップでは様々な場所に関する信頼できる情報を見つけやすくし、不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めています」とコメントしています。 ネットトラブルに詳しい専門家は、今回の裁判について… 小林衛司弁護士 「これをきっかけにGoogle側の内部のシステムを変えたりとか、個人で請求する削除のハードルを下げるようなシステムだったり、対応の変化を求めて裁判をしているという意義も考えられる」