「地上波じゃないから許して」「朝ドラヒロインも?」 過激すぎた配信限定実写化ドラマ
有名女優の衝撃シーンに「地上波では絶対に放送できない」
お金を払って鑑賞する映画とは違い、TVはチャンネルを合わせれば誰でも観ることができます。そのためマンガでは許されていた過激な表現が、TVドラマ化されるとドラマコンプライアンスに配慮してNGになってしまうことも少なくありません。 【画像】おっと、岩ちゃんが篠原さんを後ろから… こちらが過激すぎた『金魚妻』場面カットです(3枚) しかし最近では地上波以外の放送局や配信サイトというフィールドで、原作の過激描写をギリギリまで再現した実写化作品も増えています。2024年10月はWOWOWで放送中のドラマ『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』(原作:野田サトル)で、作中の凶悪犯「辺見和雄(演:萩原聖人)」「家永カノ(演:桜井ユキ)」らの変態的描写がしっかり再現され、話題を呼びました。 そのほかの地上波以外のサービスの作品では、2024年7月には長らく映像化不可能と言われてきた『七夕の国』が、Disney+のオリジナルドラマとして実写化されました。同作は『寄生獣』『ヒストリエ』などで知られる岩明均先生の人気SFマンガが原作で、「どんなものにでも小さな穴を空けられる」という使い道のない超能力を持っている大学生「南丸洋二(演:細田佳央太)」が、ひょんなことからその超能力を巡る謎と戦いに巻き込まれていきます。 数ある岩明作品のなかでもカルト的人気を誇る同作は、超能力を使って「肉体をえぐり取る」というグロテスクな殺人描写や、超能力を使いすぎた者に訪れるショッキングな身体変化の描写など、地上波で再現するには困難なシーンが目白押しでした。 しかしDisney+のオリジナルドラマでは、原作の過激な部分もVFXの技術を生かしてしっかり再現されています。人体が下半身だけになったり、頭部の中身があらわになったりする場面のインパクトは、視聴者から「人体欠損描写が手加減ゼロ」「思ってた50倍くらいグロくて泣きそう」といった声があがるほどで、原作ファンからも「素晴らしい映像作品になっていた!」などと高く評価されていました。 映像化が難しいのは、流血表現や破損描写のある作品に限った話ではありません。たとえば、黒澤R先生の一線を越えた人妻たちの不倫愛を描いた物語『金魚妻』は、過激な性愛描写を多く含む作品として知られています。地上波での映像化は難しいであろう本作は、2022年2月にNetflixオリジナルシリーズとして実写化を果たしました。 主演の篠原涼子さんをはじめとした豪華なキャスティングにもかかわらず、原作の生々しい描写も容赦なく再現されています。開幕早々から長谷川京子さんと安藤政信さんの濃厚なラブシーンが展開されるほか、主演の篠原さんと岩田剛典さんによる熱烈なキスシーンは、ネット上で「こんな過激なキスシーン初めて見た」「世界で一番過激なキス」などと話題を集めました。 ちなみに、いずれもドラマ第1話の段階で登場したシーンです。こうした性愛描写が毎話ごとに盛り込まれており、その過激さゆえにNetflixでは「16+」のレイティングが付けられています。 同じく性愛描写で話題を集めた作品といえば、Amazonプライムビデオで限定配信された『1122 いいふうふ』も忘れてはなりません。原作は全く新しい結婚にまつわる物語として高い評価を得た渡辺ペコ先生の『1122』で、「婚外恋愛許可制(公認不倫)」を導入して円満な関係を保つ、一風変わった夫婦像を描いた物語です。 あからさまに過激に見せる演出はありませんが、作中には公認不倫や女性用風俗、セックスレス、さらにはED(勃起障害)などのセンシティブな話題がふんだんに盛り込まれていおり、主人公たちの情事もしっかりと映像化されていました。 行為そのものだけではなく、その前の過程や終わった後の会話にも非常に力を入れており、独特なエロスに満ちあふれています。特に高畑充希さん演じる「相原一子」が女性用風俗のセラピストとお風呂でイチャつくシーンは印象的で、ネット上には「本番よりドキドキする」「地上波では絶対に放送できない」といった感想も少なくありません。 また同作はテーマである「新しい夫婦関係の在り方」についてもしっかりと原作を踏襲しており、一子たち夫婦の姿を通して、ある種の先進的な価値観を提示しています。その意味でも地上波では放送できない、配信限定だからこそ実写化できた作品ではないでしょうか。
ハララ書房