行列必至! 岐阜県関市の住宅街にある謎のオムライス専門店『トキワ1921』とは?
フワトロの卵とチキンライスを口に入れると、旨みたっぷりのライスが絶妙にマイルドになります。美味しさを引き立てる卵と、優しい味わいのチキンライスの設計が実に繊細で、「東海エリアイチ」という噂にも納得の絶品な味わいでした。
昔懐かしいシンプル・イズ・ベストな「オムライス」
続いては、薄く焼いた卵生地に包まれた王道スタイルの「オムライス」。焼き目や白身のかたまりもない、均一に火の通ったキレイな黄色の卵がとても綺麗です。その美しさにスプーンを入れることを少々躊躇しますが、迷わず入れると中からチキンライスのほのかな酸味が鼻腔をつき、なんとも食欲をそそられます。
実際の味は「のってるオムライス」よりチキンライスの印象が強めである一方、全体のバランスは実に素晴らしく、「オムライスの完璧すぎるお手本」と表現したくなるシンプル・イズ・ベストな味わい。こちらもまたかなり美味しくいただくことができました。
1921年創業の洋食店の子孫店だった!
どちらのオムライスも絶品で、行列ができるのも納得の味でしたが、「どうして岐阜県関市の住宅街でオムライス専門店があるのか?」など、謎も多かったため、食後に店員さんに声をかけ話を聞きました。忙しいなか丁寧に対応してくださった店員さんは、お店のなりたちを教えてくれました。 「1921年に名古屋で先代が創業した『ときわ食堂』という洋食店がルーツです。しかし、戦時中に名古屋の店は空襲を受けて炎上。その後、先代の地元である岐阜県関市に店を移しました。その後、『レストラントキワ』『洋食屋トキワ』『厨房1921』と店名を変えていきました。 この変遷の中で、今から30年ほど前から大手の飲食店が続々と開店し、『個人店には専門性が必要なのではないか?』と考え、人気だったオムライスに絞ることにしました。『オムライス専門店』という飲食店がなかったことも理由の一つです。後の2011年に現在の店の名に変更し現在に至りますが、とにかくまず食べにお越しいただければ嬉しいです。他店とは一味違うオムライスを提供させていただいています」(店員さん)