【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第16ステージ】今大会最後のスプリントステージはヤスペル・フィリプセンが快勝「チームワークの賜物。仲間と一緒に勝てて本当にうれしい」 ギルマイ落車でマイヨ・ヴェール争いが混沌
「ステージをこなすごとに調子が上がっていくことを実感していたんだ。自信はあったよ。でも3勝目は特別だね」(フィリプセン)
獲得得点から見て、実質ギルマイかフィリプセンに絞られているマイヨ・ヴェール争い。前者が落車でフィニッシュでのポイントを得られなかったこともあって、両人の得点差は32点にまで縮まった。
「ギルマイの状況は分からなかった。自分のことに集中していたからね。落車の影響が深刻じゃないことを願うよ。落車が理由でジャージを失うなんて良くないからね」(フィリプセン)
「傷はしてしまったけど、メンタル的には大丈夫。明日次第だけど、きっと大丈夫だよ。ジャージよりは、ニースにたどり着けるかどうかを大事にしたい」(ギルマイ)
かくして、今大会の勝利数では並んだ両者。「マイヨ・ヴェール=スプリンターNo.1決定戦」の行方は、平坦ステージにとどまらず、山岳ステージでの中間スプリントにも委ねられることとなりそうだ。
クラッシュの影響でフィニッシュ時にはいくつにも割れたプロトンだったけど、救済によって大多数の選手がフィリプセンと同タイム扱いに。個人総合上位陣の並びにも変動はなく、ポガチャルのマイヨ・ジョーヌは揺らがない。
「全体的にはイージーなステージだったね。思っていたほど風が強くなかったことも関係していると思う。個人的にはスプリントステージがすべて終わってホッとしているんだ。なぜかって? 大事な山岳ステージが控えているからだよ(笑)」
マイヨ・ジョーヌの予想では、第17・第18ステージは「逃げ切りじゃないかな」。その行方は、リーダーチーム、そしてレースリーダーのポガチャル次第であったりもする。
●ステージ優勝:ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)コメント
「とてもうれしいよ。大会前半は調子が良くなかったけど、うまく状況を好転させられた。結果的に3勝できて僕はハッピーだ。とにかく今日の勝利とチームのパフォーマンスを喜びたい。 調子が上がらなかった理由? チームと分析する必要があると考えている。単純に、運がなかっただけかもしれない。先週も休息日明けも勝っているけど、そのあたりは偶然だと思うよ。どちらにも共通するのは、体調が良かったこととモチベーションが高かったことくらい。 マイヨ・ヴェール? 32点差は近いようで遠い気がする。スプリントステージがすべて終わったし、山岳ステージは走り切ることで精いっぱいだ。中間スプリントのためにどうするかより、ニースにたどり着くために最大限の努力をしたい。正直に言うと、山を乗り切るためのコンディション自体はベストとはいえないんだ」
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