【ツール・ド・フランス2024 レースレポート:第16ステージ】今大会最後のスプリントステージはヤスペル・フィリプセンが快勝「チームワークの賜物。仲間と一緒に勝てて本当にうれしい」 ギルマイ落車でマイヨ・ヴェール争いが混沌
この直後、トマ・ガシニャール(トタルエネルジー)が飛び出した。ひとり逃げはやがて1分以上のタイム差となって、途中の4級山岳も一番に登頂。最大タイム差は2分20秒まで広がった。
「ツールのプロトンでトップを走れて本当に楽しかったよ。大会直前に体調を崩してしまっていたので、今日のような走りができたのはとてもうれしい。今日の僕の目的は逃げ切りよりも、先頭を走って自信をつけることだったんだ」(トマ・ガシニャール)
メイン集団は、長くコントロールを担っているアルペシン・ドゥクーニンクに、チーム ジェイコ・アルウラーも加勢。ガシニャールとの差を縮めるのに苦労はせず、フィニッシュまで25kmを残したところで吸収。ガシニャールは文句なしの敢闘賞となった。
そこから先は、今までのスプリントステージ同様に各チームがトレインを組んで進行。徐々にスプリント狙いのチームを中心とする主導権争いが始まって、残り5kmからはチーム ジェイコ・アルウラーとウノエックスモビリティが先頭へ。さらにロット・デスティニーも残り3kmで前に上がってきた。
最後のスプリント機会に状勢はタフになるばかり。残り1.5km、ラウンドアバウト通過の際に数人が絡むクラッシュが発生。コース上に座り込んだのは緑のジャージ。ギルマイが巻き込まれてしまった。
「みんながエキサイトしていたんだ。もちろん僕も。誰かが僕のハンドルバーに触れて、さらには身体が入ってきたんだ。そうなってしまったら対処できないよね。気づいたら地面に倒れていたよ」(ビニヤム・ギルマイ)
ウノエックスモビリティやアルペシン・ドゥクーニンクがスピードを上げ、一列棒状でのスプリント。アルペシン・ドゥクーニンクがひといきに先頭に立つや、マチュー・ファンデルプールのリードアウトからフィリプセンが加速。絶好の位置からスプリントを開始して、フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)やアレクサンダー・クリストフ(ウノエックスモビリティ)の追い上げをかわす。十分なリードをもって、今大会3勝目となる勝利を決めた。
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