日経平均を構成する「キャラ」はみんな同じじゃない、もっと個別でみるクセをつけよう
「アベノミクス相場の次」はどうなるのか。今回は少し長い目で日経平均株価をみてみよう。 移動平均線と株価の位置関係の正しい見方とは? 今年は辰年である。「アベノミクス相場」は、実質的に同じ干支で「1サイクル前の辰年」である2012年末から始まった。今年の日経平均は7月以降こそ乱高下状態になっているものの、1989年12月の高値3万8915円を更新して、ついに4万2224円に到達した。再び同じ干支を起点とした「相場の第2ラウンド」が始まったことは、紛れもない事実である。
歴史を振り返ると、日経平均は2012年12月に9カ月ぶりに「5桁台」の1万円を回復し、年末の株価は1万0395円で取引を終了した。今年の辰年はまだ3カ月弱残っているが、7月11日には高値4万2224円をつけ、10月11日時点では3万9605円に位置している。 2012年末の辰年大納会を起点とした上昇率は、今年7月の最高値までなんと約4.1倍、10月11日時点でも約3.8倍の水準にあるが、この間、日経平均はどう動いたのか。また指数採用の個別銘柄はどんな推移を辿ったのか。これらを、価格だけにとらわれず時間もあわせて考え、読み解いていきたい。
■知っておきたい移動平均線の「6つの位置関係」 テクニカル分析に使用される指標は大きく分けて3つある。①移動平均線(以下MA)に代表されるトレンド系指標、②相対力指数(RSI)やストキャスティクスなどのオシレーター系指標、③出来高・売買代金をベースにしたボリューム系指標だ。各指標にはそれぞれ特性があるが、その中で、長期の株価トレンドを判断するのに適しているのは、①のトレンド系のテクニカル指標である。
正直に言うと、筆者は生まれて初めて株価チャートを見たとき、MAが何を意味するかも理解せず、「こんな線、ないほうがすっきりして見やすいのに」と思ったのが第一印象である。だが、MAはテクニカル分析において、「一丁目一番地」のように重要な存在である。 株価分析においてMAが教えてくれることは、①MAの傾きで株価トレンドの方向性と強さ、②株価とMAの離れ具合(乖離=かいり)で買われ(売られ)すぎの過熱感、③株価とMAの位置関係の3点である。特に③は使用するMAが1本なら、株価は上か下かの2通りであるが、2本のMAを使用した場合は株価とMAの位置関係は6通りとなり、見事に「夏の盛り」なのか、「冬に向かっているのか」といった「株価の季節感」を表現する。その中で、今回は個人投資家にも馴染みが深いゴールデンクロス(以下GC)、デッドクロス(以下DC)で長期トレンドを確認したい。