日経平均を構成する「キャラ」はみんな同じじゃない、もっと個別でみるクセをつけよう
■アベノミクス以降の長期トレンドのGCとDCとは? さて、日経平均の上昇率だけを見ると、実質的に2012年終盤から始まったアベノミクス相場の全期間において、株価は一本調子で上昇したように錯覚する投資家も多いのではないか。 だが、実際はそうではない。2013年から2024年(10月11日まで)までの期間、年間の騰落だけをみると「10勝2敗」と大幅に勝ち越しているが、2018年と2022年の2回は下落している。また2016年の上昇率はわずか0.42%となるなど、上昇率が1桁台にとどまった年も4回あるのだ。
ここで日経平均を月足で12カ月・24カ月の2本のMAを使って分析してみよう。2013年以降、12カ月MAが24カ月MAを下から上に突き抜けるゴールデンクロス(以下GC)を4回形成している。一方で、12カ月MAが24カ月MAを上から下に突き抜けるデッドクロス(以下DC)も3回形成している。 GCとDCは、ともに株価とMAの位置関係のサイクル変化における一部分だが、株価変動に対する遅効性が、MAの日柄(日数)が短いほど小さく、長いほど大きくなる性質を利用している。
株価とMAの位置関係は、GC形成後は上から「株価>12カ月MA>24カ月MA」となる。一方、DC形成後は上から「24カ月MA>12カ月MA>株価」となる。GC形成後を順パターンの上昇トレンド、DCの形成後を下降トレンドと判断する。前出のように株価と2つの移動平均線の位置パターンは6つあるが、今回は2つに絞ってみてみよう。 2024年10月現在の日経平均は、2023年5月に2つのMAによるGCを形成し、今年8月に急落したことで、9月にかけて下ヒゲがMAを割り込む場面も見られた。だが、月末の終値ベースでみると18カ月連続で「株価>12カ月MA>24カ月MA」の状態が継続している。
■日経平均採用銘柄の騰落と高値をつけた時期は? 2024年10月11日時点における日経平均採用銘柄で、2012年末の株価と単純比較できる銘柄は216銘柄ある。株式分割・併合により表面上の株価が変化しているケースが多々あることから、それらを考慮した調整済み株価を使って計算すると、10月11日時点での上昇率トップはレーザーテック(6920)の123.1倍である。5月23日につけた高値との比較では、なんと233.3倍に達している。