【博多ストーカー殺人】きょう裁判員裁判の判決 元交際相手を包丁で何度も刺し殺害した罪に問われた男「待ち伏せは違う」ストーカー行為を否定 包丁は護身用と主張 検察は懲役30年を求刑 福岡地裁
検察は法廷で、寺内被告が川野さんを襲った際の付近の防犯カメラの映像を公開しました。 映像はそれぞれ、数秒から数分程度の4本で、そのうちの1本には、寺内被告が体を近づけた直後、川野さんが前のめりに倒れ、うつ伏せの状態になった川野さんに、寺内被告が何度も大きく腕を振り下ろし、動かなくなった川野さんをそのままにして、走り去る様子が遠目から捉えられた映像でした。 検察は川野さんが頭や首、胸などを少なくとも17回刺され、背中からの傷は深さ19センチに及び体を貫通していて、頭蓋骨には折れた包丁の刃先が突き刺さっていたと明かしました。 また、弁護側の証人として臨床心理士が出廷し、被告の男は幼少期に受けた虐待などにより、ストレスに耐える力が弱かったと説明しました。 臨床心理士は拘置所で寺内被告と11回面接し、犯罪心理の鑑定をするため8種類のテストを実施した結果として「寺内被告は小学校時代から父親から身体的虐待を繰り返し受けた影響などで、ストレス耐性が弱い。PTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがある」と証言しました。
公判では川野さんの母親の意見陳述も読み上げられました。川野さんにどれだけ愛情を注いでいたか、小さなころからダンスが好きで、弱音を吐かず、明るく友達も多かったこと、出産後に離婚して家族のために大黒柱として生活を支えていたこと、会社で昇進し「仕事が楽しい」と話していたことなどが述べられました。 そして「これ以上関わりたくない。逆恨みが不安です」とした上で「死刑にしてほしい。死刑にしても娘は戻ってきませんが、極刑を望みます」と訴えました。 また、孫は今も学校に通えていないと明かし「胸に穴が開いたようで、さみしさや切なさ、思い出ももう作れないと感じる。ストーカーによる重大事件は後を絶ちません。娘はストーカーの被害を受け、できるだけの手段を尽くしました。やりきれなさを感じます。できるだけの厳しい処罰をしないと、悲しい事件を防げない。できるだけ長く刑務所に入ってほしい」としました。
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