えっ、小学校の教室でサーモン養殖!? 北九州市の会社、八代市の旧校舎活用 野菜水耕栽培を併設
八代市鏡町の旧鏡西部小校舎にサーモンの陸上養殖と野菜の水耕栽培を組み合わせた「アクアポニックスセンター」が完成。21日、現地で稚魚の放流と住民向け内覧会があった。 校舎1階の2教室に、敷地内でくみ上げた地下水を入れる直径5メートルのいけすを3基設置。魚の排せつ物を含むいけすの水を、別の教室に置く水耕栽培設備との間で循環させ、ネギや葉物野菜の肥料にする。植物や微生物の働きで水が浄化されるため、くみ上げる水の量を削減できるという。 この日は、施設を運営する躍翔[はやと](北九州市)の大石健司社長らが、体長20センチ前後の稚魚50匹を地元の子どもたちと放流した。10カ月ほど飼育し、年間3~4トンの出荷を目指す。養殖技術は「桃太郎サーモン」ブランドを展開する「ひらやま」(八代市鏡町)から支援を受ける。 大石社長は建築業からサーモンの養殖に参入。今後も施設の増設を考えており、「きれいな水で臭みのないサーモンが育てられる」と話した。
鏡西部小は2020年3月に144年の歴史を閉じた。市は躍翔と34年3月までの市有財産貸付契約を結んでいる。鏡まちづくり協議会の徳田司会長は「サーモンもこの事業も大きく育ってほしい」と期待した。(陣立昌之)