”大久保超え”なるか。3戦8発で得点王争い独走中の神村学園FW名和田我空、ゴールと勝利で『今年は名和田だぞ』と示す
[7.30 総体3回戦 神村学園高 6-0 仙台育英高 JヴィレッジP2] 3戦8発。今夏の主役候補、神村学園高(鹿児島)のFW名和田我空(3年=神村学園中出身)が得点王争いを独走している。この日は前半5分に速攻からFW金城蓮央(3年)のパスを左サイドで受けると、縦への仕掛けから左足でゴール。さらに前半34分にも、MF鈴木悠仁(3年)の好パスから中へ持ち込み、右足でゴールを決めた。 【写真】あのちゃんの日本代表ウェア姿などに反響「削除しないで」「可愛い」「時代を先取り」 この日は柔らかいクロスボールなどで2アシストも記録。ゴール前で技術力や視野の広さ、アイディアを発揮していた。対戦した仙台育英高(宮城)のDF渡邊留唯主将(3年)も「やっぱりその間合いだったり、その駆け引きだったり、1つ1つがすごく上手くて、1つ2つやっぱ飛び抜けてるなって」と振り返る。 その一方、「かといって同級生ですし、そこはリスペクトしつつも、自分もそこに食らいついていけるようにやっていきたいなと思います」と渡邊。昨年のU17アジアカップMVP&得点王、U-17ワールドカップでもゴールを決めている世代のトッププレーヤーは、対戦相手にも刺激を与えていた。 だが、この日はシュート6本で2得点。狙いすましたコントロールショットがわずかに枠を外れたほか、フィニッシュの精度を欠くなど、名和田は次の1点を決められなかったことを悔しがる。 名和田は「今日もハットトリックできる場面はありましたし、そこはまだまだ取れる部分あるので。得点を8点取れてるっていうのはポジティブですけど、(リードした際に)自分がどうまた突き放すかっていうのを考えた時に、まだまだなっていうのは思います」と首を振った。 「(ラストの部分が)雑になってしまって、自分の性格が出てるなっていうのは思うんですけど、そこは丁寧に、まずは枠内にしっかり入れることを考えてシュートしたいと思います」と名和田。点差のついた状況で利己的なプレーになっていたことも反省したエースは、今後の戦いへ向け、より細部にこだわることを誓っていた。 ここまでの3試合は8-0、7-0、6-0と、神村学園は青森山田高の1大会最多得点記録(2021年、30得点)を塗り替えるようなペースだ。その中で自身も得点を重ねたが、静岡学園高(静岡)とのプレミアリーグ勢対決となる準々決勝からはより厳しい試合になる。 「やっぱりチームのエース番号を背負わせて頂いているので、(接戦の展開になった際など)そこは自分が必ず決めないといけないですし、そこでチームを勝たせてこそやっぱり14番だと思うので、そこは自覚を持ってやりたいと思います」と力を込めた。 まだまだこの夏、インパクトを残す考えだ。2000年大会のインターハイで当時国見高(長崎)のFW大久保嘉人が10得点をマークしているが、数々の名手たちでも2桁得点を記録することができていない。「インターハイ史上最多得点ももちろん狙ってるので、いい調子で来てるので、そこはまた明日の試合もハットトリックとする気持ちで、自分がチームを勝たせる気持ちで頑張ります。高校サッカーの主役になりたいと思ってるので、『今年は名和田だぞ』っていうのを全国に見せつけたいなと思います」。今夏、神村学園の背番号14が誰よりも輝きを放つ。