井上尚弥が「冴えない」発言のグッドマンに異例の呼びかけ「塩試合に徹しないで熱い試合を!」
WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパー・バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が12月24日に3度目の防衛戦を行うことが10月24日に正式発表された。井上はIBF、WBO1位のサム・グッドマン(オーストラリア)と指名試合で対戦する。 井上は昨年12月に4団体統一王座を獲得すると今年5月にルイス・ネリ、9月にTJ・ドヘニーを破り、2度の防衛に成功。今回は3度目の防衛戦でIBF、WBOで1位にランキングされるサム・グッドマン(オーストラリア)と指名試合で対戦する。グッドマンは19戦19勝(8KO)の無敗のファイター。 この日は都内で会見が行われ井上は会場で、グッドマンはリモートで参加した。
質疑で井上vsドヘニー戦についてYouTubeでのインタビューで「井上は冴えない」と発言していたことについて問われたグッドマンは「勝てるだけのことはやったということは分かるが、他の試合に比べてベストパフォーマンスではなかったなという思いを込めて“シャープではなかった”というコメントをした。しかしこの試合に向けては全く新しい井上尚弥で挑んでくると思うので、過去の試合に関しては考慮に入れていない」などと返答。 これに井上は会見の終了間際に「一言だけ言いたいんですが」と自らマイクを握ると「ドヘニー戦が冴えないという言葉をもらいまして。それはドヘニーが塩試合に徹したから冴えない試合になってしまったので、グッドマンにはぜひ熱い試合をしてもらいたい。その意気込みで日本に来てもらいたいと思うのでよろしくお願いします」とグッドマンに要望。 グッドマンは「東京で会いましょう」と応えた。
会見後の囲み取材で井上は「塩試合は別に嫌ではないが、どうせやるなら熱い試合をしたいと思うので。せっかくオンラインでつながっていたので言った。ドヘニーは長引かせたい思いで試合をしていた。その試合に対して“冴えない”という感想を持ったのであれば、グッドマンが同じような戦い方を選択すればその試合も冴えなくなるよ、ということ」とあえて呼びかけた意図を明かした。 グッドマンがドヘニーのような戦い方を選ぶ可能性もあるのだが「そこは自分が攻めていく。“塩試合でも勝てればいいや”という思いでボクシングはしていない。倒しに行くし、山場も作る。それに応戦してくれなければ、多分、一方的な冴えない試合になるんじゃないかと思う。ただ、2団体でランキング1位。そこまで実力のある選手が倒されないボクシングに徹底したら倒すのは難しい。そのなかで自分は必ず勝利を手にするというものは曲げずに戦う」と自身はあくまで倒しに行く試合をすることを誓った。