侍ジャパン、最後の最後で響いたチーム編成での苦悩も…井端監督「自信をつけた選手もいる」森下や小園の成長は成果に
◇24日 「ラグザス presents 第3回 プレミア12」決勝 日本0―4台湾(東京ドーム) 日本代表「侍ジャパン」は台湾に敗れ、大会連覇を逃した。開幕8連勝で決勝まで進んだが、2度勝っている台湾に最後に屈し、国際大会の連勝も27で止まった。 何よりの目標だった大会連覇はならなかった。2日連続で今大会3度目の対戦となった台湾に零封負け。国際大会で敗れるのは、前回のプレミア12の2次リーグで米国に敗れた2019年11月12日以来。主要国際大会の零封負けは09年3月9日の韓国戦以来。国際大会で台湾に敗れるのは10年10月のインターコンチネンタル杯以来。侍ジャパンが久しく味わっていなかった敗戦の苦さを味わった。 「選手はよくやってくれた。負けたのは私の責任」。井端弘和監督(49)は言葉を絞り出した。23日に台湾が予告先発を取り下げて温存した林昱珉を打てなかった。4回まで投げた左腕に、わずか1安打。ここから歯車が狂った。ただ、それよりもっと前、チーム編成で苦しんでいたことが最後の最後で響いた。 主軸に想定していた村上(ヤクルト)、近藤(ソフトバンク)は故障により招集できなかった。4番候補だった岡本和(巨人)も腰痛で宮崎合宿直前に辞退。大砲が、国際大会の経験豊富な打者が一気にいなくなった。特に右の長距離砲は手薄だった。合宿前には山川(ソフトバンク)にも要請したが、コンディション面で不安があり、かなわなかった。指揮官は、森下(阪神)、辰己(楽天)、牧(DeNA)らの状態を見極めながらうまく起用し、つなぎの野球で勝ってきた。だが、決勝では機能せず、悔しい結果に。2次リーグ初戦の米国戦でもヒルを打てなかったように、左の好投手にはことごとく苦しめられた。 ただ、成果があったのも事実だ。「過酷なスケジュールの中で選手はよくやってくれた。自信をつけた選手もいるし、成長していってくれたらうれしい」と指揮官。全試合で4番を張った森下は9打点で役割を全う。慣れない二塁をしっかりこなした小園(広島)は米国戦で2発を放ち、国際大会の侍ジャパンで新記録となる1試合7打点をマークするなど大きな成長を遂げた。新たな足のスペシャリストとして招集した五十幡(日本ハム)も2盗塁で爪痕を残した。この舞台で戦った貴重な経験をそれぞれが来季につなげ、2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)につなげていく。
中日スポーツ