大根仁が経験した「理想の撮影現場」とは?Netflixシリーズ『地面師たち』制作の背景とともに語る
綾野剛、豊川悦司、小池栄子……。豪華キャスト起用の経緯
―あの演技は見応えありましたね。山本さんはじめ『地面師たち』の比類ない豪華キャストを選ぶにあたってのプロセスを教えていただけますでしょうか。 高橋:ほとんどの方は大根さんが想定していた第1希望のまま、キャスティングさせていただきましたね。綾野さん、豊川さんに関しては初期からお願いしたいというお話が出ていて、お二人とも脚本を読んで即決してくださいました。 大根:小池(栄子)さんとは『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)でもご一緒したんですが、僕は彼女を何でもできる芸能界最強プレイヤーの1人だと思っていて。人間的にも大好きですし、また一緒にやりたいなと思っていたので、犯罪集団の「怪しい華」をお願いすることにしました。 北村(一輝)さんはご無沙汰でしたけど、この役は彼の真骨頂かなと思ったんですよね。そして(ピエール)瀧さんを自分でキャスティングしたのはじつは今回が初めてなんです。『モテキ』(2011)にも出てますけど、あれはピエール瀧本人役なのでキャスティングという意味では僕のなかで異なります。こういう瀧さんをずっと撮りたかったので、今回ついに僕からお願いすることができました。 高橋:大根さんは最初から俳優の皆さんを想定して脚本を書かれていたんです。もちろんキャスティングに関してはプロデューサーの意見も尊重していただいてはいますが、もともとキャラクターのイメージが明確だったので、こちらも大根さんの希望を尊重したいなと。そこに大きな齟齬はありませんでした。 ―ナレーションを山田孝之さんが担当されていて驚きましたが、あえて声で山田さんを起用したのはなぜでしょうか? 大根:彼の出演作品に対するリスペクトはもともとありますし、以前ご一緒したこともある。あとはNHKでナレーションをされていましたけど、プロのナレーターとは違う味があるし、そのうえで格段に上手いし、説得力があるし……、ナレーションで作品の質をあそこまで上げられる人はなかなかいないと思っていて、いつかお願いしたいと思っていたんです。綾野くんとも親しい間柄ですしね。あと、なんと言っても僕のなかで山田孝之は「ミスターNetflix」なんですよ(笑)。