単身者世帯で増加傾向にある「レンチンのみ調理」。鶏むね肉を「レンチン」して食べるのと「鍋を使った鶏むね肉の料理」では、どれだけ調理費用が異なるでしょうか?
近年、単身者世帯では手軽さや効率性を重視したレンチンのみの調理法が増えているようです。電子レンジは火を使わず手軽に食材を加熱できるため、忙しい日常や料理の手間を省きたいときなどに利用している人も多くいるでしょう。一方、電子レンジやガスコンロで調理を行う際、気になるのがそれぞれにかかる光熱費です。 そこで本記事では、レンジ調理とガスコンロ調理の費用を比較するとともに、光熱費を節約するための使い分け方法を紹介します。 ▼4人家族で食費「月8万円」は高い? 1人当たりの“平均”もあわせて解説
レンジ調理とガスコンロ調理の費用を比較
ここでは、電子レンジを使って調理する場合とガスコンロを使用して調理する場合で、どのくらい費用に差が発生するかを計算していきます。電気料金の目安単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している31円/kWh(税込み)とします。 電子レンジの消費電力を1000Wと仮定すると、30分間使い続けた場合の電気代は以下の通りです。 1kWh×0.5/h×31円=15.5円 また、ガスコンロを30分間使い続けた場合のガス代は以下の通りです。 弱火が約2.2円、中火が約9.6円、強火が約16.9円 同じ時間使用した場合で比べると、弱火や中火であればガスコンロのほうが費用を抑えられる可能性があります。 レンジで6分ほど加熱して作る蒸し鶏は、電気代がおよそ3.1円必要です。 鶏むね肉を鍋に入れてガスコンロで茹でる際も、沸騰してから6分ほど火にかけるため、火をつけてから茹で終わるまで10分ほどかかると考えると、中火の場合は光熱費がおよそ3.2円です。これらを踏まえると、電子レンジとガスコンロでは、あまり光熱費に差がないようにも感じられます。 電子レンジやガスコンロの光熱費を節約するためには、それぞれが得意とする調理によって使い分けることが大切です。
電子レンジとガスコンロを使い分けるためのポイント
ここでは、電子レンジとガスコンロを使い分けるためのポイントを紹介します。光熱費を節約するためには、それぞれの特長を活かした利用が欠かせません。 ■根菜類の下ごしらえは電子レンジ加熱 ブロッコリーや根菜の下ごしらえをする際は、電子レンジで加熱するとガスコンロよりも加熱時間が少なく済むといわれています。また、電子レンジ加熱は野菜の栄養素が溶け出しにくいメリットもあるようです。食材のもつ栄養素を逃さず短時間で火を通したい場合は、電子レンジ加熱がおすすめです。 ■大量の野菜や肉を下茹でするならガスコンロ 大量の野菜や肉類を下茹でしたい場合は、ガスコンロの使用が適していると考えられます。時間をかけてじっくり煮込みたいときはガスコンロがおすすめです。たくさんのお湯で茹でて、アクを取ったり柔らかく煮込んだりできるとされています。また、ガスコンロは加熱しながらこまめに火力を調整できる特徴があります。 なお、ガスコンロで食材を加熱する際は、鍋の蓋を確実に閉めて鍋の底から火がはみ出ない火力で加熱すると、ガス代を節約できるといわれています。また、鍋の底やガスコンロの受け皿をこまめに拭き取りきれいにしておくことで、熱伝導やふく射の効果が持続し、熱効率が向上する可能性があります。
電子レンジとガスコンロの光熱費の差は火力によって異なる
電子レンジとガスコンロの光熱費の差は、火力によって異なるようです。ガスコンロの火力が弱火や中火の場合、同じ時間の加熱では電子レンジよりもガスコンロのほうが光熱費は安くなる傾向がありますが、強火で同じ時間加熱すると電子レンジのほうが光熱費を抑えられる可能性があります。 電子レンジやガスコンロの光熱費を節約するためには、それぞれの特徴にあった調理を行い、加熱時間を短くすることが大切です。 出典 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部