【毎日書評】仕事に「達成感」が生まれる、毎日のタスクの立て方・進め方
『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(今井 孝 著、すばる舎)の著者は、長らく幸せを実感できずにいたのだそうです。会社員時代に成果を出してもむなしさしか残らず、独立起業しても売り上げが上がらず、どん底からのスタート。寝る間を惜しんで働いた結果、会社員時代よりも多くの収入を得ることができるようになったものの、毎日がしんどい気持ちのままだったというのです。 そこで先達から学ぼうと思い立ち、多くの成功者たちに話を聞き、研究を重ねていったそう。すると、幸せな人たちと普通の人との間に、ひとつだけ大きな違いがあることに気づいたのだといいます。 それは、1日のなかに2時間程度だけ「最高のひととき」をつくり出しているということ。いいかえれば、どれだけ忙しかったとしても、1日のなかで2時間だけ充実させることができれば、充分に幸せになれるというわけです。 事実、それに気づいてから著者の人生はガラリと変わったのだとか。つまり過去の自分とは違い、人生を楽しみながら生きられるようになったということです。そこで本書においては、自身が紆余曲折を経て学んだ、「1日たった2時間で幸せになるための“時間との向き合い方”」を明らかにしているのです。 人生を変えるためには、大変なことをする必要も、苦しむ必要もありません。 たった2時間だけ大事にすれば、人生は眩いばかりに豊かで、愛おしいものに変わります。 そして、長期的にはすごいところまであなたを連れて行ってくれます。 ですので、1日2時間だけ、幸せになることにコミットしてほしいのです。(「まえがき」より) きょうは第4章「毎日が幸せなスケジュールの立て方」のなかから、仕事に関するトピックスを抜き出してみたいと思います。
「達成する仕事」をひとつ決める
仕事で充実感を得るために大切なのは、あらかじめ自分に向けたご褒美を決めておくことだといいます。そうすれば、そこに到達したいという思いがモチベーションをたかめてくれるわけです。 おすすめなのは、たった1つを選ぶことです。 もちろん、こまかい仕事が5つも6つもあるときもあるでしょう。 それでもなお、「この1つをやり遂げたら最高だ!」と言えることを決めておくことをおすすめします。 やってみると実感できますが、仕事が5つ中途半端に進んだときよりも、たった1つだけでも仕事を終わらせたときのほうが、達成感が大きいものです。 多くの人が日々、達成感を味わっていないのは、「今日、何を終わらせるのか」が不明確だからです。(145~146ページより) たとえば「資料を完成させる」など、“達成したらうれしいこと”を具体的にひとつだけチョイス。そして、その仕事を中心にして1日や1週間のスケジュールを組むわけです。 もちろん、それ以外のことをまったくやらないということではありません。しかし、そのひとつの仕事にエネルギーをフォーカスして取り組めば、すっきりと仕事を終わらせることができ、達成感も味わえるということ。(145ページより)