子どもの「中学受験」「エスカレーター進学」にはどのくらいの費用が掛かるでしょうか?
高校受験や大学受験でつまずくくらいなら、中学受験で努力してその後はエスカレーター式にブランド力の高い大学に進学させたい、と考える親御さんは多いでしょう。しかし、中学受験となると費用面で負担に耐えられるかどうか心配になる人もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、エスカレーター進学や中学受験で必要な費用の目安を紹介するとともに、エスカレーター進学を目指すときに注意したいこともまとめました。
中学校~大学を私立に通うと掛かる教育費用の目安は1000万円以上
まずは、中学校から大学までエスカレーター式に内部進学した場合に、どれくらいの費用が必要になるのかを見てみましょう。 日本政策金融公庫が提供している教育費用のシミュレーターを用いて試算すると、中学校~大学4年生まで私立に通った場合に必要な教育費用の目安は、文系の大学に進学した場合で約1154万円、理系の学科に進学した場合は約1297万円です。 公立中学校→公立高校→国立大学と進学した場合、同様に試算した費用は約559万円なので、中学1年生から大学4年生までの10年間で、2倍以上も費やす教育費用に差がつく計算になります。 なお、それぞれ進学パターンの費用の内訳は図表1のとおりです。
日本政策金融公庫「教育資金はいくら必要? かかる目安額をご紹介」のシミュレーションより筆者作成
中学受験に掛かる費用の総額は200万円近い
株式会社モデル百科(長崎県佐世保市)が運営する「MoneyGeek」が実施した、中学受験に掛かる費用についての調査(調査期間:2024年1月24日~2月1日、調査対象:子どもが中学受験を経験した保護者500人)によると、中学受験のために塾に通った場合の費用総額は、平均2年半で約178万4000円です。 塾のタイプによっても平均費用に差があり、集団塾に通った場合は約183万4000円、個別塾に通った場合は約121万6000円という結果が出ています。 また、受験の出願校数と支払った出願費用の平均は、2.6校/約5万7000円という結果です。通塾費用と出願費用を合わせた中学受験に掛かった費用総額の平均は、約127万3000~189万1000円となり、200万円近い費用が必要となる計算です。 このほか、受験スケジュールと入学金の納入期限によっては、滑り止めの入学先を確保するために、本命校より先に合格が判明した学校の入学金を納入しなければならないケースもあります。その場合はさらに費用が掛かることになるため、受験と手続きのスケジュールを整理して備えておきましょう。