世界で信頼されていない職業は政治家となに?
パリを拠点にグローバルな市場調査を行うイプソスは、32カ国2万3530人を対象に「職業ごとの信頼度」を調査した。その結果、世界でもっとも信頼されていない職業は政治家、その次がインフルエンサーだった。 調査に参加したのは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、日本など民主的と思われる32カ国。21の職業について、自分の国で信頼されていると思うかを5段階評価で聞いている。 グローバルでは、もっとも信頼されているのが医師、続いて科学者、教師、レストランの給仕スタッフ、軍人、警察官など。日本では、同じく医師がトップだが、2位が裁判官、3位が科学者で、自衛官、弁護士、警察官、レストランの給仕スタッフと続く。 いちばん信頼されていないのが、グローバルでは政治家(15パーセント)とSNSのインフルエンサー(15パーセント)だった。日本でも同じく、インフルエンサーと政治家はもっとも信頼されない職業だ。順位はグローバルと入れ替わるものの、その差はわずか1パーセント。それぞれ7パーセント、8パーセントと世界的に見て非常に寂しい結果になっている。 信頼されそうな僧侶などの聖職者は、世界でも日本でも12位。信頼できない度合いとしては、政治家、インフルエンサー、政府の閣僚に続く不人気さだ。また、銀行員、経営者、広告担当幹部の信頼度も低い。日本では、世界にくらべて教師の信頼度がやや低いのも気になるところ。 しかし、全体的に日本を含めた世界の傾向はそう変わらない。政治家がもっとも信頼できないのは、本当はいちばん頼りたい人なのに、選挙のときの期待がいつも裏切られてしまうためかもしれない。そんな政治家に活を入れる役割のジャーナリストやテレビのニュースキャスターの信頼度が低いのも情けない。 政治家とは、世界でいちばん信頼できない性質の人物なのだろうか。まったく信頼のない人間が政治家に選ばれる仕組みなのだろうか。少なくとも民主的な選挙が行われている国では、政治家は我々自身が選んだ我々の代表ということになっている。そこは、我々の意識次第で改善できる部分だろう。
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