パーオン率トップ3の共通点を発見! 竹田麗央、岩井明愛、小祝さくらはロフト多めの“軟鉄鍛造”アイアンを使っていた
今季正確なアイアンショットを武器にいくつもの勝利を重ねるパーオン率上位の女子プロたち。パーオン率1位の竹田麗央(76.17%)、2位の岩井明愛(74.52%)、3位の小祝さくら(73.86%)が愛用するアイアンを見ると、実は共通項があることを発見。彼女たちがなぜ、このアイアンを好むかそれぞれのメーカーのツアー担当者に聞いてみた。 竹田、明愛、小祝が好むアイアンの顔はシャープな顔とつかまり顔に分かれる【写真】 今季6勝と一気に才能が開花した竹田は、『スリクソン ZX7 MKⅡ』ヘッドに『N.S.PRO モーダス3 ツアー120 S』シャフトを採用。軟鉄鍛造モデルで7番のロフトは32度と打ち出しが確保しすいモデルを好んで使用している。 「竹田プロは、アイアンで『フェースへの乗り感』を大事にしています。チタンフェースなど球を弾くモデルはあまり好きじゃないのでしょう。フェースに乗っている方が弾道をコントロールできますし、ミスヒットはミスとはっきり分かりたいタイプ。ミスした理由が分かれば、対処できるので、軟鉄鍛造アイアンを好むのでしょう」(ダンロップスポーツツアー担当) 今季3勝を挙げている明愛は、ヨネックス『EZONE CB511 フォージド』に『N.S.PRO 950GH neo S』を組み合わせている。グラファイト素材を挿入した軟鉄鍛造モデルで、7番でこちらも同じロフト32度のヘッドを使用している。 「『EZONE CB511フォージド』は、操作性と寛容性を兼ね備えたミッドサイズの軟鉄鍛造。低重心で幅広ソールのヘッドだと、ショートアイアンが飛びすぎたり、低く抑えるショットが打てません。操作性が高くソール幅が狭いこのモデルだと、高い球や低い球など打ち分けやすいんだと思います。ソール幅が狭く後ろ側が削られているため、上から球をつぶして打つときに球が吹け上がりにくいのもメリットですね」(ヨネックスツアー担当) また、アイアンショットに定評がある小祝は、竹田と同じ『スリクソン ZX7 Mk II』ヘッドを採用。シャフトは『N.S.PRO モーダス3 プロト S』を使用している。こちらももちろん軟鉄鍛造で7番のロフトは32度で設計されている。 「アイアンは小型ヘッドで重心距離が短いタイプ。彼女はドロー、フェードを打ち分けたいので、クラブで勝手につかまってしまうと、ラインが出せなくなります。自分で弾道をコントロールしたいのです。だから、重心距離が短いヘッドを使うのだと思います。また、7番32度とロフトが多いので、スピンが入りやすく、グリーンに止まりやすいです」(ダンロップスポーツツアー担当) パーオン率トップ3が好むアイアンは、奇しくも同じ軟鉄鍛造で重心距離が短い小型ヘッド。しかもロフトは7番で32度と最近のモデルではロフト多めのヘッドをチョイスしている。 軟鉄鍛造で押し込む感覚を持てるので、弾道をコントロールすることが彼女たちが一番求めている性能だといえる。また、ソール幅が狭い方が熱くヘッドを入れても球が吹け上がりにくい。また、ロフトが多いことで適正なスピン量が入り、グリーンで止められるのだろう。 今後は、彼女たちが愛用する軟鉄鍛造アイアンを武器にツアーで華麗なアイアンショットを放つ姿を、じっくり見てみるのも面白いだろう。 ◇ ◇ ◇ 松山英樹は精密なアプローチショットで寄せワンを取る。関連記事【松山英樹は、超難しいバンス0度の60度ウェッジをフェースをマン開きで打ってるの?】を読めば、その正確な技術の秘密がわかる。