「新築の価値は住んだ瞬間3割減」だったのに...中古マンションの相場が上昇し続けるワケ
価値が維持、上昇する中古マンション市場
新築マンションの「供給減少」や「価格高騰や陳腐化による魅力低下」といった事態は、実はすでにマンションを保有している人にとっては、非常に有利に働きます。 新築がない、買えないとなれば中古マンションを買うしかないわけで、中古マンション市場が活性化すれば、保有するマンションの価値が維持、ないしは上昇方向に働くためです。 これが日本以外の先進国の住宅市場で働くメカニズムです。買ったマンションの価値が落ちなければ、住宅購入という行為が人生における重要な資産形成の一環となります。 1億円で買ったマンションが20年後1億円かそれ以上で売れるなら、売買時の諸費用や住宅ローン金利、固定資産税といったコストを差し引いても、毎月の家賃や更新料を払わないでよいため、損得勘定で言えば圧倒的に賃貸でいるより買った方がお得だということになります。それは「価値が落ちてなくなる耐久消費財を買った」のではなく、「資産に投資した」ということなのです。 実際問題としてこの20年くらいの間に好立地でマンションを買った人たちは、ほぼ例外なく儲かっています。買った時より現在の方がマンション価値がアップしているのです。 特にこの10年くらいに「都心・駅前・駅近・大規模・タワー」といったワードに象徴されるマンションを買った人は、東京都心においてはその価格が平均的に2倍以上、神奈川・埼玉・千葉では1.7倍くらいに値上がりしています。住宅ローンを支払うことがいつの間にか資産形成となっていたわけです。 日本の住宅業界には「新築を買ったそばから建物価値が落ち、住んだ瞬間に3割減、10年で半値、20~25年程度でほぼゼロ」といった定説がありましたが、少なくとも中古マンション市場ではすでにこうした方程式が崩れつつあります。 とはいえ不動産の価値は1にも2にも3にも立地であり、要は「都心・駅前・駅近」といった利便性の高い、中長期的に人口流入が見込める立地であることが大前提です。