2歳の息子は希少難病「クリーフストラ症候群」 情報少なく国内の患者数も不明…認知と理解求めて、当事者家族が“家族会”を立ち上げるまで
いつか、親である私たちがいなくなった時、クリーフストラ症候群の息子が理解されながら暮らしていけるよう、病気の認知度を高めたい。兵庫県在住の千田貴愛さんは、そんな思いを胸に病気の周知に取り組んでいる。 【動画】人気YouTuber・コレコレさんの取材を受け、クリーフストラ症候群の現状を訴えた 息子・泰輔くんは、遺伝子の欠損や遺伝子配列の変異によって遺伝性の精神神経疾患が見られる、クリーフストラ症候群。この病気は研究が進んでおらず、国内の明確な患者数や治療法は不明。発達遅延や知的障害、先天性心疾患など、現れる症状の個人差が大きい難病だ。
先天性内反足を持つ息子が「クリーフストラ症候群」と判明して
今年2歳になる泰輔くんは、足首から下が内側に曲がる「先天性内反足」を持って生まれてきた。加えて、聴力検査では難聴が判明。県立のこども病院を紹介され、生後4カ月の頃、先天性内反足の治療として、足首の可動域を広げるため、アキレス腱を切る手術を受けた。 術後、医師から内反足の角度に違和感を覚えたと言われ、複数の先天性疾患があったことから遺伝子解析を勧められたそう。そこで貴愛さんは医師と相談し、我が子が月齢に適した成長をしているか見守りながら、遺伝子解析を検討することに。 すると、泰輔くんは生後7カ月になっても首が据わらないなど、発達に遅れがみられたそう。そこで遺伝解析を受けたところ、クリーフストラ症候群であることが判明。病名が分かった時、貴愛さんの中では驚きより、安堵感のほうが大きかった。 「たいちゃんの上に2人子どもがおり、子育てをする中で何か違うと感じていたので、原因がちゃんとあったことに安心しました」 だが、病名をネットで検索した時、情報量の少なさを知り、一気に不安が押し寄せたそう。医師から貰えた資料も、わずか4ページほど。貴愛さんは“知れない悲しさ”に打ちのめされた。 そんな時、響いたのが友人のポジティブな言葉。 「医師から貰った資料に、クリーフストラ症候群の発症率は2万5000人から3万5000人にひとりと書かれていたので、それを友人に話したら、頑張れや応援してるではなく、『3万5000人にひとりの病気を抱える子のママと友達っていう私、すごくない?』と言ってくれたんです」 そんな前向きに捉えてもらえるのか。そう思った貴愛さんは、自身も前向きに泰輔くんの病気と向き合うように。インスタで知り合った同じ病気の子を持つママたちと、病気の周知に取り組み始めた。