【小松菜】下茹で不要で美味しく食べられる!冷凍保存の手順やポイントを管理栄養士が解説
緑が鮮やかな小松菜は、汚れをしっかりと落とせば事前の下茹でをしなくても美味しく食べられる野菜です。食べ切れない小松菜は冷凍保存をしておけば、スープやお浸しなどをつくる際にサッと取り出して使うことができます。今回は、小松菜の冷凍保存方法やポイントを詳しく解説します。 〈関連画像〉袋のまま常温で保存・米びつで保存・冷蔵庫で保存→やってはいけないお米の保存法はどれ? ■小松菜は冷凍前に下茹でをしなくても食べられる野菜 小松菜を冷凍する際は、下茹でせずに生のまま保存が可能です。小松菜はほうれん草などに比べてアクが少ないため、下茹でをしなくても食べやすいのが特徴です。下茹でをしてから冷凍をすると、小松菜に水分が付着し水っぽい食感となります。また、小松菜に含まれる栄養素は下茹ですると減ってしまうものもあります。 表の数値は、小松菜100gあたりの栄養成分です。小松菜の種類によってそれぞれの含有量は異なりますが、平均的な数値は以下のとおりです。 ・小松菜(生) カルシウム 170㎎ 鉄 2.8㎎ ビタミンC 39㎎ ・小松菜(ゆで) カルシウム 150㎎ 鉄 2.1㎎ ビタミンC 21㎎ 小松菜に豊富に含まれているカルシウムや鉄、ビタミンCは茹でることで失われてしまいます。下茹でをしなければ、小松菜の栄養をそのまま摂取でき、茹でることで起こる栄養素の流出を防げるでしょう。さらに、小松菜は冷蔵庫で保管を続けると葉が乾燥しやすくなります。2,3日で悪くなるものもあるため、鮮度を保つための工夫が必要です。 ■小松菜を冷凍保存しよう!手順とポイント 食べ切れない小松菜は、冷凍保存するのがおすすめです。長期保存が可能で使いたいときにサッと取り出せるため、ストックしておくと便利です。 ■■冷凍の手順 小松菜の冷凍保存は、以下の手順で進めましょう。 小松菜の根元を切り落とし、茎に残った泥を水で洗い流す キッチンペーパーで小松菜についた水気を拭き取る 小松菜を使いやすい長さにカットし、保存袋に入れる お浸しにする場合は4cmほど、汁物に入れる場合は葉を細かく刻むなど、使用用途に合わせて長さを調節してください。 ■■ポイント➀水にさらす時間はなるべく短縮する 小松菜を洗う際は、水につける時間をなるべく短く済ませましょう。小松菜には、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは水溶性のため、水に長時間さらしたり茹でたりすると、栄養が外に流れ出てしまいます。ビタミンCは体内でほとんどつくることができない栄養素です。大切な栄養を逃さないためにも、小松菜を洗う際は水にさらす時間をなるべく短縮しましょう。 ■■ポイント➁水気はしっかりと拭き取る 小松菜は、冷凍保存する前に水気を拭き取るのも大切なポイントです。小松菜に付着した水を拭き取らずに冷凍すると、小松菜に霜が付き水っぽい食感になります。せっかく手間をかけて冷凍しても、美味しく保存できなければできあがりの満足感も下がるでしょう。 そのため、小松菜の水気は以下のタイミングで拭き取るのがおすすめです。 小松菜の泥を洗い流したあと(刻む前) 小松菜を刻んだあと(保存袋に入れる前) 小松菜に付着した水気は、しっかりと拭き取っておきましょう。 ■■ポイント➂小分け保存で乾燥や劣化を防ぐ 小松菜を冷凍する際は、小分けで保存すると品質劣化を防げます。すべてジップロックに入れて使うたびに取り出す方式では、ジップロックの開閉回数が増え、小松菜の温度が一定に保てません。温度差で葉に水分が付着し品質劣化につながります。小松菜を使う量ごとにサランラップなどで小分けにし保存すれば、使用する分だけ解凍ができます。空気に触れる頻度を抑えられ、温度差が起こりにくくなれば、品質を保ったまま保存が可能です。 ■冷凍小松菜を調理する際のコツ 冷凍小松菜は、入れるタイミングに注目しましょう。冷凍小松菜は、生で食べるよりも柔らかい食感になります。これは、冷凍することで小松菜の細胞破壊が起こるためです。 長時間熱を加えると、さらにシャキッとした歯ごたえが減ってしまうため注意しましょう。そのため、煮込み料理やスープなどに冷凍小松菜を活用する際はできあがる直前に入れ、サッと煮る程度で済ませるのがおすすめです。煮すぎなければ小松菜の鮮やかな緑色を保つこともできます。また、冷凍小松菜はお浸しづくりにも便利です。冷蔵庫に移し、めんつゆに浸しておくだけで簡単に副菜1品が完成します。冷凍小松菜の保管目安は約3週間です。なるべく早めに使い切りましょう。 ■小松菜は下茹でせずに冷凍保存して料理に活用しよう! 小松菜を下茹ですると、ビタミンCやカルシウムなどの栄養素を逃がす原因につながります。小松菜を冷凍する際は、サッと汚れを洗い流したあとしっかりと水気を拭き取り、小分けで保存するのがおすすめです。また、冷凍小松菜を料理に使う際は、入れるタイミングなどに注意しましょう。ポイントを抑えて小松菜を上手に保存してみてください。 【参考文献】 野菜類/こまつな/葉/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類 野菜類/こまつな/葉/ゆで - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類 ビタミン | e-ヘルスネット(厚生労働省) ライター/菅理栄養士 山田佳奈子 管理栄養士。約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。とくに食育活動に力を入れており、0歳から5歳の年齢に合わせた指導で「食を楽しく学ぶ」を大切に活動。出産を機に「食に興味をもつ子を育てる」ことをより意識し、さらに食育活動に力を入れる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)