「ネガティブになっている時間がもったいない」。2024年、世界卓球界のライジングスターとなった大藤沙月は何が変わったのか
20歳の大藤沙月(ミキハウス)にとって2024年は世界トップへと駆け上がった飛躍の年になった。 4月からWTTに本格参戦し、初戦のフィーダー ヴァラジュディンで優勝すると、 そこから負けなしで5連続優勝。WTTでの勝率が90%に達するなど、世界中から注目を浴びる選手になっていった。 その躍進の理由を紐解くため、大阪で練習する大藤を訪ねた。 ノジマTリーグに『日本ペイントマレッツ』から参戦している大藤は、日本ペイントの練習場で汗を流していた。午前中の練習を終えて、午後からの練習を早めに切り上げて、インタビューに応じてくれた。 自身の飛躍について尋ねると、大藤は次のように答えた。 「高校の3年間が苦しくて、もっとできるはずなのに勝てないという葛藤がありました。今思い返してみても、自分で頑張っていたと思える期間でしたし、そこを乗り越えることができて、そして去年(23年)の11月から坂本さん(竜介)に指導してもらえるようになって開花したというか。中学、高校の四天王寺での6年間でしっかりと土台を作っていただいていたからこそ、今があると実感しています」 自身も現役引退に日本代表として世界の舞台で戦った経験を持ち、ドイツのプロリーグであるブンデスリーガでもプレーしていた坂本コーチとの出合いにより、大藤のプレースタイルは進化している。よりパワフルで、ヨーロッパの男子選手のようなバックハンドを身につけてきているが、精神的な面での変化も大きいと大藤は話す。 「坂本さんがポジティブ過ぎて、ポジティブな言葉しかかけてきません。だから自然に自分もポジティブになっていきましたし、ネガティブになっている時間がもったいないと思うようになっていきました」 12月現在、世界ランキングを8位につけている大藤は6位の早田ひな(日本生命)、7位の張本美和(木下グループ)に続いて日本人3番目の位置についている。 「1月の全日本選手権は優勝したいですね。その先はロスオリンピックの代表になって、そこで金メダルを獲ることです」 2025年も大藤沙月から目が離せそうにない。 <卓球王国PLUS 大藤沙月 ライジングスター「ネガティブになっている時間がもったいない」より抜粋>
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