野球の「ジャパンウィンターリーグ」3年目、14か国・地域143人挑戦「世界の登竜門になってきた」
野球の「ジャパンウィンターリーグ」(JWL)が11月24日~12月19日に沖縄県で行われ、3年目のシーズンを終えた。新たな所属先との契約を目指すトライアウトと、実戦を通した強化を目的に運営されるJWL。社会人らに加え、今年は日本野球機構(NPB)や韓国、台湾のプロ球団の選手も初めて参加するなど、充実した取り組みに支持が広がっている。(崎田良介) 【表】今年のジャパンウィンターリーグに選手を派遣した主なチーム
12月中旬、コザしんきんスタジアム(沖縄県沖縄市)は熱気に満ちていた。所属チームや国籍、年齢、過去の実績の異なる選手たちがそろいのユニホームに身を包み、チームを組んでグラウンドに立つ。長打で走者をかえしたり、好守でピンチを防いだりすると、ベンチは大いに盛り上がった。リーグを運営する「ジャパンリーグ」の鷲崎一誠代表取締役(33)は「選手には100%満足して帰ってもらえる自信がある」と目を細めた。
JWLは「陽の目を浴びていない場所に光を」という理念を掲げ、2022年に始まった。チャンスをつかめないでいる選手や、沖縄の温暖な気候の中で技術や体力を向上したいと考える選手に活動の場を提供してきた。
66人が参加した1年目は10人、101人が集まった2年目は27人が国内外の球団からスカウトを受けて契約した。リーグとしての実績が認知され、今年は中国野球協会が23歳以下代表選手を中心に編成したチームを派遣するなど、14か国・地域出身の143人が挑み、米大リーグ・ドジャースといった球団関係者が視察に訪れた。
その中で意欲的にプレーをしていた一人が、東北楽天ゴールデンイーグルスの泰勝利投手(21)だ。鹿児島県瀬戸内町出身で、同県の神村学園高を経て楽天に入団した泰投手は、昨年3月に左肘の内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた。
今秋に実戦復帰したばかりで、来春のキャンプに向けてさらに調整を進めるためにJWLへの参加を決めた。寒さを気にすることなく思い切り腕を振って投げられているといい、「強い直球をストライクゾーンに投げることがテーマ。やりたいことができていて、沖縄に来たのは間違いではなかった」と手応えを口にした。