野球の「ジャパンウィンターリーグ」3年目、14か国・地域143人挑戦「世界の登竜門になってきた」
一方、今季限りで広島東洋カープを戦力構想外になった沖縄県出身の内間拓馬投手(26)は、現役続行とレベルアップを目指してJWLに出場。「いろんなチームの人と野球ができ、勉強になる。みんなハングリー精神がある」と、精力的に登板を重ねた。
試合や練習では投球の回転数や打者のスイングスピードなどを計測し、選手もデータを知ることができる。宿舎のホテルでは、専門家が体の仕組みや栄養、キャリアアップなどを指導する講座が用意され、選手が自由に受けられるようになっていた。競輪を統括する公益財団法人「JKA」が野球から競輪選手への転身をセカンドキャリアの一例として紹介する時間もあり、選手の幅広いニーズに応えている。
練習環境の充実やスタッフの増員など、4年目に向けての課題も見えてきた。鷲崎代表取締役は「今まで種をまいたことが花開いている。我々がイメージしていた通り、世界の野球界の登竜門になってきた。選手のためになることは、何でもやっていく」と、更なる発展に力を入れる。
「DAZN」と提携、全53試合を無料配信
3年目のJWLで大きな目玉となったのが、インターネット動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」との業務提携だ。JWLの全53試合を無料配信し、誰もがどこにいても手軽に選手のプレーをチェックできるようになった。
DAZNはサッカーのJリーグや日本のプロ野球など様々なスポーツを配信している。JWLの試合映像は得点やカウントだけでなく、投手の球速やボールの変化量、打球の速度や角度などのデータが瞬時に表示され、選手の能力を客観的な数値で把握できる。
DAZNは業務提携と無料配信の狙いについて、「野球人口が減少していることに危機感を覚えている。野球の持続的な盛り上がりに寄与し、(オフシーズンもコンテンツを提供することで)年間通して野球の魅力を届けたい」と説明している。