トヨタも本腰?「全固体電池」で活躍期待11銘柄の最新状況
トヨタが発表した全固体電池に関する内容に、株式市場は色めき立った(写真:ブルームバーグ)
「トヨタが全固体電池を2027~2028年にも実用化」――。6月13日に報道各社が一斉に報じた内容に、株式市場は色めき立った。この日のトヨタ自動車(7203)の株価は前日比5.0%高、翌14日も同6.2%高と大幅に続伸した。 報道各社が見出しに立てた全固体電池だが、実はトヨタの今回の発表内容は「実用化にチャレンジ」と控えめなものだった。同社の「全方位の脱炭素戦略」に変更はなく、むしろその他のバッテリーEV(BEV)や水素、合成燃料などカーボンニュートラル燃料の説明に多くの時間を割いていた。 それでも、報道各社や株式市場が「全固体電池」に大いに反応したのは、中国や欧米に後れを取る日本の電気自動車(EV)開発において、巻き返しの原動力になりうるからだ。 今回、トヨタが全固体電池について発表したのは、2027~2028年にも実用化し、それを搭載したEVを市場に投入するというもの。同社が2022年に発売したリチウムイオン電池を使ったEV「bZ4X」と比べて、1回の充電で走行できる距離は2.4倍に伸び、充電時間は3分の1となる約10分に短縮されるという。 トヨタは全固体電池の特許数では、圧倒的に世界トップ。また、特許数の上位10社のうち、半数以上を日本企業が占める。トヨタは2020年に全固体電池を搭載した車両の試乗を行っており、2020年代前半にハイブリッド車(HEV)に採用するとしていた。 ただ、実用化については確実には見通せない状況が続いていた。市場では「実用化は後ずれするのでは?」との懸念が出ていた。それゆえ、トヨタの今回の発表は「サプライズ」として受け止められたわけだ。
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野津 滋