小沢一郎氏も挑む囲碁電王戦、その見どころは?
コンピューターと人間の頭脳が対決したら、いったいどちらか勝つのだろうか? ドワンゴは2月11日と16日の両日、囲碁のプロ棋士と世界最強の囲碁ソフト「ZEN」が対決する「第1回囲碁電王戦」を開催する。プロ棋士の張豊猷(ちょうりゆう)八段、平田智也三段、そして小沢一郎氏も参戦するが、その見どころは?
急激に力を伸ばすコンピューター囲碁
囲碁ソフトの実力は現在、アマチュア6段~7段程度と言われており、プロ棋士と対等に戦うにはかなりの差がある。囲碁では、プロとアマの段の基準が違うので、一概に比較はできないが、仮にプロの段をアマチュアの段に換算してみると、10段~11段くらいと言われている。4段分。囲碁のルールで言えばハンデの置石4つ分の差にあたる。だがこの差がとても大きいのだ。 2000年代後半にはアマチュアの3~4段程度であったコンピューター囲碁の実力は、モンテカルロ法という新しい方式により、急激に力を伸ばした。ならばこのペースでいけばいつかはコンピューターが人間の頭脳を抜くのでは、と思ってしまうが、そう簡単ではないようだ。 プロ棋士が正式な対局で使う「19路盤」(縦横19本の線が引かれている碁盤)には、361か所の交点がある。この着手の選択肢の多さが、コンピューターに最善手を判断させるのを阻むのだという。
小沢一郎氏の棋風は?
そこで今回の電王戦では「ZEN」は、「9路盤」(縦横9本の線が引かれている碁盤)でプロ棋士と対戦し、「13路盤」(縦横13本の線が引かれている碁盤)で、アマチュア日本一と対戦。さらに「19路盤」では政治家でアマチュア高段者でもある小沢一郎氏と対戦することになった。それぞれの大きさの碁盤で、現在の「ZEN」の実力に最も近いと思われる相手を考慮した結果、このような対戦になった。 さて対戦者の中で最も注目されるのは、政治家の小沢一郎氏だ。囲碁は盤上の棋風(打ち方)に性格が表れやすいと言われているゲームだが、小沢氏の棋風を最も良く知る、棋士の依田紀基(よだのりもと)九段によると「小沢さんはセオリーに捉われず、実戦的な碁を打ちます」という。