小沢一郎氏も挑む囲碁電王戦、その見どころは?
囲碁には定石や序盤の作戦など、ある程度のセオリーがあるのだが、小沢氏はそれに捉われることなく自分の世界を広げ、自分の土壌で戦うタイプなのだ。さらに勝負の行方について尋ねると、「ZENは読みの分野がとても優れているので、戦いになって石を取る、取られるような展開になると、正確に先を読まなくてはならず、小沢さんが大変かもしれません。ただZENは、石を効率よく働かせて打つのが苦手なようなので、その分野で小沢さんがリードできれば…。いずれにしても好勝負になると思います」(依田九段)。逆境になってからの勝負強さにも定評がある小沢氏。最強のコンピューターを相手に、どんな盤上の世界を広げていくのか。
張豊猷八段、平田智也三段とZENとの戦い
またZENがプロに最も近い実力を持つと言われる9路盤では、プロ棋士の張豊猷八段(33)と平田智也三段(19)が対戦する。 9路盤は選択肢が少ない分、石が接近しやすく、戦いが起こりやすい。まるで狭い檻の中に、肉食動物が放たれたような、激しい戦いが予想される。張八段は、攻められる石があったら全力で攻めるという、とにかく戦う棋風のファイターだ。
一方の平田三段は「相手の強いところで戦って、苦しい中で活路を見出すのが好きです。変な棋風なんです」(平田三段)と本人も語る個性的な棋風の持ち主。年齢も棋風も対照的な2人が、9路盤という戦場でどんな戦いを見せてくれるだろうか。 (ライター 王真有子)
--------- 第1回囲碁電王戦 概要 1日目:2月11日 午前10時~「9路盤三番勝負 張豊猷八段・平田智也三段 vs Zen」 2日目:2月16日 午前9時~「13路盤三番勝負 江村棋弘アマ日本代表 vs Zen」 午後5時~「19路盤一番勝負 小沢一郎氏 vs Zen」 いずれも「ニコニコ生放送」で生中継。両日ともニコファーレで大盤解説会が開かれる(参加無料)。