負債2000万円で廃業「地獄を味わった」借金返済、母の介護…YouTuber・ロコリ(73)「笑い話に変えればいいんだ」と始めたコラムが転機に
■認知症の母を自宅介護「笑いに変えればいいんだ」 ── 72歳でカラオケの先生としてデビューされるのはすごいですね。認知症になってからはロコリさんがお母さんの面倒を見ていらっしゃったのですか? ロコリさん:そうですね。私自身は借金も返し終わった50代の終わり頃、母が85歳の頃に認知症だと判明し、95歳で亡くなるまで10年間介護生活が続きました。 亡くなったきっかけは新型コロナです。高熱が出て入院したら肺炎の疑いがあると言われ、検査をしたら「新型コロナ(疑似)」という診断でした。まだコロナがそこまで広まっていない頃で、母は北九州市で6例目のコロナ患者になりました。さいわい私は陰性でしたが、濃厚接触者として2週間自宅待機している間は気が気じゃありませんでした。その後、母も陰性になり、私の自粛期間も明けて病院へ会いに行きましたが、ものすごく痩せて弱ってしまっていて。その2週間後に心不全で亡くなりました。
── 介護中はどんなサービスを利用していたのでしょうか? ロコリさん:働きながらの自宅介護だったので、デイサービスを利用していました。施設に入居してもらうことも考えたのですが、空きがあってすぐ入れるような施設はたいてい人里離れた場所にあり、車を持っていない私が気軽に行けるような立地ではありませんでした。また見学に行った施設では、認知症のお年寄りが廊下でわめいているのを目の当たりにして、華やかでおしゃれが好きな母を預けるのはしのびない気持ちにもなりました。
できれば近くの特別養護老人ホームがいいなと思って申し込んでいましたが、2年ほど経ってもなかなか順番が回ってこなくて。 ── 介護と仕事の両立は想像以上に大変そうです…。 ロコリさん:子どもの延長保育みたいなイメージで、デイサービスがもう少し遅い時間まで預かってくれればと思ったことはあります。母が自宅に送られてくるまでに仕事を終えて帰るのが難しかったので。もっと認知症が進んでくると母をひとりにしておけない状況になり、仕事を早めにあがらせてもらうようにしていました。