現代のピカソと評される世界的アーティストのロメロ ブリット氏

　4月2日、伊勢丹新宿店で『Be happy！ロメロ ブリット来日展』の記者発表会が開催され、2023年の第149回ケンタッキーダービーオフィシャルアーティストを務めた「現代のピカソ」と称されるロメロ ブリット氏が来日してトークセッションを行った。 【画像】ケンタッキーダービーをモチーフにした版画 　ロメロ ブリット氏は、ディズニーのオフィシャルアーティストを務めるほか、2010年FIFAワールドカップのポスターも手掛け、いま最も世界から注目を集めるポップアーティスト。今回の個展ではタイトル「Be happy！」に表されているように、カラフルで陽気な人々をハッピーにする作品がたくさん展示されており、ケンタッキーダービーをモチーフにした版画（78万1000円）も展示されたほか、新素材を用いた世界初披露の作品も公開された。 　マスコミの前に登場したロメロ ブリット氏は、28年ぶりに来日したことや、ファンと触れ合える機会への喜びについて、「今回日本に来られて嬉しいです。日本はすごく大好きで、日本のファンの皆さんと会える機会を作ってくださったことに感謝しています」と挨拶。今回、日本ゼオン株式会社が開発した革新的な視覚効果をもつ新素材をロメロ ブリット氏が作品に取り入れ、そのアート作品 5点を世界初披露した。この新素材とは「広帯域化コレステリック液晶素材」と呼ばれ、偏光グラスを通すことで肉眼で見えたり見えなかったり、また表と裏で別の図柄が見えたりと、光の反射を利用したさまざまな視覚効果を実現している。また、偽造防止の観点からも活用が可能となっており、鑑賞する人が楽しみながら、この作品が本物かどうかがわかるところも新素材の特徴の一つ。

偽造防止にも活用できる技術をアート作品に採用

作品名：CLASSIC FLOWER POWER

　その新素材についてロメロ ブリット氏は、「この話を聞いたとき、アーティストとして新しい技術をとり入れることに大変興味を持ちました。将来的に自分がいなくなった後でも、誰でも簡単に本物と偽物を識別でき、コレクターの方に“Peace of mind”を与える技術は、作品を届けるアーティストにとって非常に安心感があり、嬉しいことです。今回の作品には、私が大切にしているテーマ「Love（愛）」「Hope（希望）」「Happiness（幸福）」をユニークな新技術で表現しています。この新素材は砕いて曲面に使うこともできるので、今後は平面作品だけでなくスカルプチャー（彫刻）などにも応用できる可能性があると思います。とても美しい作品を仕上げることができて、この新技術に感謝しています」と、新しい表現方法への可能性を語った。 　日本ゼオン株式会社の赤坂氏は、「日本ゼオンとロメロさんのジョイントプロモーションというかたちで、我々が開発した新素材を作品に使用していただいたことを大変光栄に思います。アートと化学素材を融合することによって、今までにない全く新しい表現方法を生み出すことができました。ロメロさんの作品にはゼオンの新技術を使ったメッセージが隠されていて、とてもミステリアスでワクワクします。アート作品を通して、この新素材をより多くの方に知っていただき、みなさまに価値を創出していただければと思っております」と、ロメロ ブリット氏への感謝を述べた。 　続けて赤坂氏は、「この素材の面白いところは、偽造防止の観点からも活用できるところです。鑑賞する人が楽しみながら本物かどうかを確認することができます。偽造防止の観点からはどう考えていますか？」と、ロメロ ブリット氏に質問を投げかけると、「アーティストとして本物と偽物を識別することが大事だと思っていますし、ちゃんと本物を扱っているというところで安心感も得られると思います。自分の作品をお客様にしっかりとした作品として届けられることで、非常に革新的な技術だと思っています」と、新素材をアピールした。