パリからロスへ! 日本サッカー史上初、2世代連続同じ指揮官で五輪を目ざす! 2度目の大岩剛体制は来夏に始動
U-20W杯組とは別チームで活動
日本サッカー史上初の取り組みとなる。 12月13日、2028年のロス五輪を目ざす男子チームを率いる大岩剛監督の就任記者会見が都内で行なわれた。 【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! 宮本恒靖日本サッカー協会会長、山本昌邦ナショナルチームダイレクターとともに大岩監督が登壇。冒頭で意気込みのコメントをし、続けて4年後の大舞台に向けて想いを口にした。 「この年代の重要性は理解していますし、育成年代の代表との関わり、A代表に向けての選手育成、パリ五輪を経てより大事であると認識しています。その責任が大きいというのも含めて、しっかりとパリ五輪での経験を生かしながら次のオリンピックに向かっていきたい」 大岩監督はパリ五輪から続けて監督を務める。日本サッカー界にとって、2世代連続で同じ指揮官で五輪出場となれば初めてだ。 古巣の鹿島、JFAの指導者養成インストラクターなどを経て、今夏のオリンピックを戦ったU-23日本代表を託されていた大岩監督は、8月いっぱいでJFAとの契約が満了。パリ五輪でチームをベスト8に導いた大岩監督のもとにはJクラブからの誘いもあった。 しかし、2度目の大役を引き受けることを決断。大岩監督は「協会と振り返りを行ない、成果と課題などを話していくなかで、早い段階で続投のオファーをいただきました。その中で私自身を評価してくださるJクラブも含めて、(選択肢を)整理しながら今回は続投のオファーを受ける決断をしました」と話し、「私の経験が活かせるのであれば、是非やらせていただきたいという気持ちがあったので引き受けました」と代表への想いを述べた。 今後のスケジュールは、来年6月から7月にかけてチームを立ち上げ、同年9月に開催予定のU-23アジアカップ予選に向けて準備を進めていく。基本的にはロス五輪世代の選手で構成される予定だが、2026年が本大会のU-23アジアカップは23歳以下の大会で、予選は22歳以下の選手が対象となるため、将来を見据えて21歳から23歳の選手を選考対象に含むケースもあるという。 また、同時にこの9月は、船越優蔵監督が率いるチームがU-20ワールドカップ(最終予選となるU-20アジアカップは来年2月に中国で開催)に出場する可能性を残しているため、それぞれ別の組織を作ったうえで2チームが同時に動く想定をしている。 山本ダイレクターは「U-20ワールドカップとU-23アジアカップの日程がかなりくっついている」とスケジュールの問題が大前提にあると強調。来年に関して、ロス五輪組の主力はU-20ワールドカップを優先し、大岩ジャパンは船越ジャパンのメンバーを見ながら構成していくという。 ただ、船越ジャパンはインターナショナルマッチウィーク外の活動が主となるため、活動に参加できない海外クラブ勢は大岩ジャパンの遠征などに参加するパターンもあるとした。 また、ロス五輪を目ざす大岩監督の右腕で、パリ五輪に続いてヘッドコーチで入閣する羽田憲司コーチは、U-20ワールドカップを目ざす船越ジャパンでも指導にあたる。こちらも過去に例がない取り組みとなるが、大岩監督は経緯と狙いをこう話す。 「船越監督とコミュニケーションを取るなかで、羽田コーチに入ってほしいという要望があった。そして、我々オリンピックを目ざすチームとしても船越監督のチームに入ってほしいという要望が一致したので、選手たちの刺激になってくれればと思っています。我々が選手を把握するうえで良い情報交換がしたい」 大岩ジャパンと船越ジャパンのパイプ役として、羽田コーチのタスクは重要な任務となる。山本ダイレクターも「パリ五輪で知った基準を選手に伝わるのが早くなる」と新たな施策に期待をかけていた。 新たなスタートを切る大岩ジャパン。本格始動は少し先だが、大岩監督、羽田コーチ、新たに加わった元鹿島の佐藤洋平GKコーチ、そしてU-20日本代表を率いる船越監督が取りまとめるロス五輪世代のチームから目が離せない。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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