マツダ「新生ロードスター」と従来モデルの明確な違い…首都高&アクアラインを走り込んで徹底検証!
● 首都高のヘアピンカーブを無理して曲がったつもりが……? 時計回りに走る都心環状線外回りに入る。道は意外なほど空いている。麻布十番上の右コーナーを抜け、3号渋谷線に合流する谷町ジャンクションの左ヘアピンカーブ。ここでの挙動が白眉(はくび)だった。 調子に乗って、いささか大人げない速度でコーナーに進入してしまったのだが、クルマはピタリと安定したまま。「あんたその程度?」と言わんばかりに何事もなくクリアしていったのだ。特にタイトコーナーに効くという、新しく採用されたASYMMETRIC LIMITED SLIP DIFFERENTIAL(アシンメトリックLSD)のおかげなのだろうが、技術説明書を読んでも何がどのようにいいのかイマイチ理解できない。ここは開発者インタビューで詳しく聞いてみよう。 「軽量・コンパクトで耐久性の高い円錐クラッチ型LSDにカム機構を追加し、減速時と加速時で異なるカム角を設定することで、それぞれに最適な差動制限力を実現」って、何を言うてはるのかよく分かりませんよね。私が読者諸兄を代表して、素人にも分かるよう説明してもらいます。 試乗期間は6日間。首都高を走り込み、夜中の街中を流し、アクアラインも往復した。「9年前のクルマの煮直しで何ができるのか」と試乗前からシニカルに見ていた自分が恥ずかしい。新生マツダロードスター。本当にいいクルマです。 リトラクタブルハードトップ(鉄板屋根)に大きなエンジンを積んだロードスターRFに関しては検査不正でミソがついて現状生産停止の状態にあるが(何してんだよマツダ!)、ソフトトップのモデルは問題なく生産中、発売中だ。次のモデルは、時代の流れからもハイブリッド化されるとの噂もある。冒頭でも書いたが、現行ロードスターも今年で10年目。もしかしたら純エンジン車のロードスターを楽しめるのは、このNDで最後になるかもしれない。今のうちに買っておきますか。