マツダ「新生ロードスター」と従来モデルの明確な違い…首都高&アクアラインを走り込んで徹底検証!
● 2015年発売のND型ロードスターに「過去最大級」の改良が施された 「いやぁ~いいっスよ。本当にいい」 車両受け渡しの際に、頬を紅潮させて、いささか興奮気味に話すAD高橋氏。 現行のND型は2015年のデビューだから、今年で10年目となるロードスターに、マツダ自らが「過去最大級」という改良が施された。ロードスターは当代取って4代目。初代のデビューは1989年。実に35年もの長きにわたり、市場にワクワクドキドキを提供してきたことになる。 「2人しか乗れない」「大きい荷物が載せられない」「2人でゴルフに行けない」等々。多少のハンディキャップはあるものの、累計生産台数は120万台を超え、世界中から圧倒的な支持を受ける、史上最高のオープン2シータースポーツカーだ。その大改良の出来栄えはいかに?早速ドライブに出かけよう。 ● 新しくなったND型ロードスターに乗ってみる 車両を受け取り、シートに座る。自然にスッと脚を伸ばした位置に、アクセルペダルが配置されている。小さなクルマなのに内側にオフセットされていないのだ(多くの右ハンドル車はタイヤハウスに干渉されてアクセルペダルが内側に押しやられ、まっすぐ脚を伸ばした位置にペダルがない)。ここは変わらぬ美点だ。スタートボタンを押してエンジンを掛ける。微妙に音を変えてきたのだろうか。排気音が少し乾いたような音に聞こえる。
● エンジンはSKYACTIV-G 1.5、4馬力増 提供された試乗車は6速MT車。1速へシフト。少し入りが渋い感じ。スコッと気持ち良く入らず、ゴリッと入る感じ。2速以上は手首を返すだけでコクコクと気持ちよく決まる。首都高へ向かう。1号羽田線の鈴ヶ森入路。料金ゲートを過ぎるとゆるい登り坂が続く。1速、2速と強くアクセルを踏み込む。グーッとリニアに伸びる、気持ちの良い加速。 フロント部後方に積まれるエンジンは、マイナーチェンジ前と変わらずSKYACTIV-G 1.5。1.5リットル直列4気筒、もちろんノンターボ。燃焼効率が改善され、従前と比較して4馬力アップの136馬力に向上している。プラス4馬力のパワーは絶大で、明らかに違う加速感……と言いたいところだが、残念ながら体感できるほどの差はない。「少し速くなったかな?」程度のものだ。 右カーブに入る前にアクセルを緩める。大きく異なるのは、アクセルオフ時の減速力だ。決してギクシャクすることなく、実にイイ感じに減速する。駆動力制御に最新の制御ロジックを導入しているとのことで、ここは明確に違いを体感できる。コーナーを抜けて再びフル加速。3500rpmを超えてからの、コーンと伸びる加速感が最高に心地良い。 左カーブを超えて本線に合流する。ゆるいカーブが続く。路面の状態が直に手のひらに伝わるような、快適なステアリングフィール。ステアリングラックの摩擦を低減させ、さらに助力装置の制御ロジックを進化させたとのこと。服も靴も通さず、体に直接触れる数少ないパーツがステアリングホイールだ。クルマとの一体感が感じられる。「人馬一体」を標榜するロードスターの面目躍如と言ったところか。意のままにクルマが動く快感。「スポーツカーを運転している」という気分がジワジワと高まってくる。