食べたいけど食べられないことが幸せな特別なラーメン「あら~麵」
これが大好評で、都内のホテルで、ボランティア活動の資金集めの会を開いたときも、この「あら~麺」は好評で、会が終了すると、都内の各ホテル総料理長はじめ、スタッフ全員が「あら~麺」に舌鼓を打ったのだった。
普段は、行き来のない「鮨屋」「ホテル」「洋菓子屋」が、ひとたび災害が起こると、一致団結してボランティア活動を行う。 この4月23日に「料理ボランティアの会 能登半島地震応援企画」として開かれたのが「麵屋武蔵」と「パティシエ ショコラティエ イナムラショウゾウ」のコラボディナーだった。
場所は、神田にある「麵屋武蔵 神山」の2階の応接室。まずは、「麵屋武蔵」のラーメンの具となる「チャーシューやメンマ、煮玉子」を「獺祭」で一杯やり、そのあとに「甘鯛と鯛のあら~麺」、デザートには「能登育ち能登卵のクレームブリュレ」とお茶うけのプチフールに「珠洲産能登大納言かのこ」が20名に振舞われた。5000円が募金となる、8000円のディナーだった。
「麵屋武蔵」の矢都木社長の説明によると「鶏ガラ・豚肉で取った出汁に甘鯛と鯛のあらを入れてスープにした」とのこと。 災害はあってはほしくないが、この「あら~麺」、いつか多くの皆さんに召し上がっていただきたい、震災がきっかけになって生まれたラーメンである。
● 山本益博(やまもと・ますひろ)
1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
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文・写真/山本益博 編集/森本 泉(LEON.JP)