大谷翔平選手の「40-40」であらためて脚光を浴びる往年の名選手【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第129回
日本でもそうかもしれませんが、メジャーでは30本塁を達成した時点で、特別な選手だとファンから認知されます。そんななか、大谷選手は40-40を達成し、ナ・リーグでホームラン数トップを独走する上に、走れる。本当にスペシャルな才能ですね。 ちなみに、プロ野球で最も40-40に近づいた日本人選手は、西武やダイエー(現ソフトバンク)で活躍した秋山幸二さんだと言われています。西武時代の1987年には、43本塁打、38盗塁の記録を残しています。 秋山さんは偉大な打者で、身体能力が高いことでも知られていました。日本シリーズでホームランを打ち、バック宙をしながらホームインしたシーンは、みなさんもご覧になったことがあるでしょう。 当時も40-40達成への期待感はあったでしょうが、そこまで偉大な記録だとは思われていなかった可能性もあります。現在、大谷選手が記録を作っていくことで、秋山選手が偉大な選手だったことを再確認できるのは面白いですね。プロ野球とメジャーでは試合数が大きく違いますし(当時のプロ野球は年間130試合。現在のメジャーは162試合)、当時の秋山選手が残した成績は、40-40に匹敵すると言えるかもしれません。 かつて、日本人選手にとってメジャーは憧れの地でした。しかし今では、日本人選手が夢を見させてくれる場所になりました。大谷選手が記録を作ることで、次にスポットライトを浴びる選手は誰でしょう。 それではまた来週。 構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作