実は“隠れ難読地名”!? 朝ドラのロケ地、コスプレの聖地…注目が集まる名古屋「鶴舞」には何がある?
◆115年の公園の歴史を彩ってきたレトロ建築に注目
そんな謎があるのも、地域の象徴的スポットである「鶴舞公園」に歴史があるからです。2024年で開園115年。園内には貴重な歴史的建造物がたくさんあるので、その探索を目的に鶴舞駅へ降り立つのもいいでしょう。 “歴史探索スポット”鶴舞公園の象徴が、先にも挙げた「噴水塔」です。NHK連続テレビ小説『虎に翼』のロケ地となって注目度がグンと上がりました。開園翌年の1910(明治43)年、鶴舞公園を会場に開催された博覧会「第10回関西府県連合共進会」のシンボルとして造られました。 設計は鈴木禎次。文豪・夏目漱石の義理の弟で、漱石の作品の中にも登場する人物です。塔のデザインはヨーロッパ調でありながら、それを囲む岩組みは日本庭園のようで、和洋折衷のスタイルもユニークです。 公園をさらに真っすぐ進むと現れる「奏楽堂」(そうがくどう)も鈴木禎次によるもの。こちらも堂は洋風、手すりに波や太鼓といった和のモチーフが取り入れられているのが特徴です。 他にも、先の噴水塔の背景としても映える1930(昭和5)年築の国の有形文化財「名古屋市公会堂」。普通選挙法成立を記念して1928(昭和3)年につくられたモニュメント「普選記念壇」(ふせんきねんだん)。 同じく1928(昭和3)年に最高級のヒノキを使って建てられた茶席「鶴々亭」(かくかくてい)。ユニークなところでは1918(大正7)年~1937(昭和12)年まで園内の一角を占め現在は門だけが残っている「旧動物園跡」。 これらのスポットは園内にある緑化センターで無料配布している園内マップや、園内各所にある案内板で「歴史散歩コース」のQRコードを読み込めば、解説付きで散策を楽しむことができます。
◆多彩なイベントに真新しいグルメ施設も
また、鶴舞公園はイベントの宝庫でもあります。奏楽堂や普選記念壇などでは無料の屋外ライブが、鶴々亭では茶会がしばしば開催。園内ガイドツアー、マルシェ、おもちゃづくりのワークショップなどが行われることも。 ふらりと訪れてのんびり過ごすのもいいですし、あらかじめイベントスケジュールをチェックしてそれを目当てに訪れるのもおすすめです。 鶴舞園内には芝生やベンチも多く、青空の下でお弁当やテイクアウトグルメを広げるのもいいですが、周りにはグルメも事欠きません。便利なのは2023年5月にオープンした「TSURUMA GARDEN」(ツルマガーデン)。園内3つのエリアに飲食店を中心とした17のショップが入居する施設で、カフェやスイーツ、そばなど選択肢も豊富です。