【徹底解説】ビットコインの半減期とは? 仮想通貨市場に与える影響・考えておきたい論点
この仮説を裏付ける資料として、ビットコインが最後に移動されたタイミングを基準に年代分けを行った「HODL Waves」というチャートが存在します。 チャート上部の「長期間移動されていないビットコイン」が全体に占める割合は、徐々に増加している傾向にあることが読み取れます。市場で売買が行われるビットコインは、取引所間の移動や取引所と個人ウォレットの移動など、何らかの形で移動されるため、チャート下部の濃い赤色~オレンジ色の部分を形成します。 HODL Wavesからも、実際に市中で循環しているビットコインの総量は減っていく(そして、半減期は減少速度を加速させる)のではないか、という仮説に一定の合理性があることがわかるのではないでしょうか。
・マイナーについて
次回の半減期はマイナーへの影響が大きいため、半減期がマイナーに与える影響や、半減期の影響を受けたマイナーの行動、マイナーの行動がもたらす暗号資産市場への影響についても考える必要があります。 半減期によってブロック報酬が半分になると、マイナーがマイニングから得ることができる報酬は大幅に減少します(マイナーはトランザクション手数料も受け取ることができるため、報酬がそのまま半分になるわけではありません)。マイニング報酬が減ると、コストの高い方法でマイニングを行っているマイナーは、効率化を進めるか、廃業を迫られる恐れがあります。 ヨーロッパ最大級のデジタル資産管理会社CoinSharesの試算では、次回の半減期以降のマイニングにかかる平均コストは$37,856とされており、ビットコインの価格が継続的に上昇しなかった場合、苦境に立たされるマイナーが出現することは想像に難くありません。 マイニング大手事業者の一角であるMarathon Digitalの産出コストが$43,370となっている点も注目に値します。米国株式市場に上場している大手企業は、マイニングコストをカバーするために株式を追加発行する道を選ぶのではないかとCoinSharesは指摘しています。