【注目チーム】小松礼雄新代表はハースを浮上に導けるのか…ベテラン2人体制で最下位からの脱却を目指す|ハース|F1
2021年はミック・シューマッハ、マゼピンのルーキーセットとなったハース。そこからベテラン重用に方針転換し、2023年、2024年はマグヌッセン&ヒュルケンベルグのベテランコンビがレギュラードライバーとなっている。
歴史
ハースF1チームのオーナーである実業家、ジーン・ハースは、アメリカのレースカテゴリー「NASCAR」でもチームの共同オーナーとして活動している。 チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、モータースポーツをよく知るジーン・ハースにF1参入を提案したことで、このアメリカ籍チームは誕生した。F1には2016年からフル参戦を果たしている。 アメリカに籍を置くF1コンストラクターは、1977年にF1を離れたペンスキーや、1980年に撤退したシャドウ・カーズ以来であり、ヨーロッパを中心に世界を転戦するF1においては、少々異色のチームとも言える。
2020年はグロージャンが大事故に遭う
参戦2年目からコンビを組むロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンのラインナップで4シーズン目を迎えたハースF1チーム。 新型コロナウイルスにより7月上旬に開幕がずれ込むという未曾有のシーズンになった2020年だったが、ハースはテールエンダーの位置をウィリアムズと競う状況に。予選でもQ1からQ2へとなかなか進出できず。 決勝でも中位争いに加わることさえ厳しく、マグヌッセンは第3戦ハンガリーGPの10位、グロージャンは第11戦アイフェルGPの9位フィニッシュがそれぞれこのシーズン唯一の入賞となった。 だがハースにおいてこのシーズン最大のハイライトとなったのは、第15戦バーレーンGP決勝のアクシデントだったと言えるだろう。 オープニングラップのターン3からターン4の間、グロージャンは右へとラインを変えた際にダニール・クビアトのマシンに接触。そのままの勢いでコース右にあるガードフェンスを突き抜け、炎上する大事故が発生。 車体が前後真っ二つになる中、グロージャンは炎に包まれたコクピットからなんとか脱出。自力で歩行できる状況ながら救急車で病院へと緊急搬送された。レースはすぐさま赤旗中断となり、フェンスの復旧により1時間近く中断となった。 グロージャンは手や足に火傷を負ったうえに、衝突時に激しいGを経験したことから、ドクターストップがかかり、残りグランプリでの参戦はかなわず、チームから離脱することになった。 第16戦サクヒールGP、第17戦アブダビGPは元王者エマーソン・フィッティパルディの孫であるピエトロ・フィッティパルディがハースから出走することとなり、17位、19位で完走を果たしている。 それでもシーズンを通してハースは入賞2回による合計3ポイント。コンストラクターズは総合9位となり、獲得ポイント数という面でも、ハース創設以来最も不振の1年に終わった。