国学院大・前田監督「全員駅伝の勝利」出雲駅伝に続く勝利で学生駅伝3冠に王手【全日本大学駅伝】
◇3日 全日本大学駅伝(熱田神宮~伊勢神宮=8区間106・8キロ) 10大会連続12度目出場の国学院大が5時間9分56秒で初優勝。先頭と最大1分27秒差をつけられながらも最終8区でひっくり返した。前田康弘監督は「全員駅伝の勝利かな。鉄則ですけど次の走者を考えて、1秒を大事にすることができた。チーム内で風通しの雰囲気でできていたからこそ」と振り返った。 エース頼みではないこと示した。5区・野中、6区・山本の連続区間賞で先頭・青学大とは4秒差。チームの大黒柱の7区・平林清澄(4年)で逆転にかけたが、青学大とともに区間2位で差は詰まらなかった。「自分の中の勝負には負けたレース。記録でも(区間賞を獲得した駒大の)篠原に負けてダブルパンチを食らった」と消沈しかけた。それでも8区の上原琉翔(4年)が10キロ付近で先頭を奪取し、区間9位(59分14秒)の走りで逃げ切った。ゴールへのバス移動中に優勝の一報を聞き、平林はうれし涙を流したという。 今季のチームについて、主将の平林は「本当にいい意味でとがっている」と表現する。日ごろも下級生から平林に発信することもある。「結構面と向かって僕に対して『勝ちますから』とか常日ごろから言ってくる。僕もいい刺激をもらっている」。刺激し合い、力をつけてきた。 10月の出雲駅伝に続く勝利で、学生駅伝3冠に王手をかけた。来年1月2、3日の箱根で初優勝すれば、史上6校目の3冠となる。平林は「個人でもチームでも改善点があるし、優勝した中でも見つけられると思う。チームとしても課題をつぶして、勝ちにつなげられるように、成し遂げられるようにしたい」と見据えた。
中日スポーツ